SPECIAL

TALK

2020.09.30

対談企画『想いと経験をつなぐ』

ヘルパー歴17年のno-de代表の髙木氏と、発足当初よりno-deで居宅介護事業の管理者を務める口分田(くもで)氏。
ヘルパーの先輩後輩として、それぞれの視点から見た“ヘルパー”に対する職業観や、no-deの居宅介護事業の未来についてなどなど、普段なかなか面と向かっては話す機会も少ない内容について対談形式で語り合っていただきました。

“ヘルパー”という職業の魅力

髙木日頃の感謝はあるけど、今日は一旦それはおいといて、過去の話も含めて色々話してみたいんだけど。
口分田さんは学生時代、僕がヘルパーをやってた頃に手伝いに来てくれてましたよね。あの時、僕もそれまでシフト組んだりはしたことがあったけど、指揮をとる立場でやるのも初めてで、口分田さんはまさにその最初の人で。その当時、僕なりに気をつけてたのが、自分が指揮される側の人だったらこういう風に準備してほしいなとか、シフト組んでほしいなとか色々考えて気をつけながらお願いしてたんだけど、その時は働いててどんな心境だった?
その時のことを一回聞いてみたくて。
口分田あの時は私も支援に関わったのが初めてだったので全部が初めてで何をすればいいか分からない部分もあったんですが、困ったらいつでも助けてもらえるという安心感がある中で、そんなに不安にならずに済んだという感じでした。

仕事の仕方もある程度自由にさせてもらえたというか、こうしてくださいという指示を与えられたというよりも、自分で考えて行動してこれを提案してみようみたいなところを任せていただけてたので、その時の仕事に対するやり方みたいなものは今もココ(no-de)で活かされてるような気がします。
当時、私が学生の立場なのに色々任せてもらえるのはとてもありがたかったですね。

髙木もともと大学生の時は高齢分野の方に進みたかったんだっけ?
口分田はい。最初は高齢分野志望でした。障がい分野に進もうと思ったのは、髙木さんとの出会いや、ボランティアやアルバイトでの経験が大きなきっかけになったと思います。
髙木僕は理想とするヘルパー事業所をいつかやりたいと思ってて、「伴走する」っていうのも本当にそうしたいと思ってたし、決められたことだけをやるんじゃなくて、一緒に利用者さんと相談しながら一緒にやりたいな、と。
そのあたりって今現在もしっかり共有できてる・・かな?
口分田はい、もちろんです。前の話になるんですけど、私もある利用者さんの時に、前もってこういうことしてもらいたいなって色々準備して行ったら全然してもらえなくてショックで(笑)。
でも、こっちから一方的じゃなくて、相手に合わせながら一緒に考えながら何をやっていくかっていうことが大切だっていうのが徐々に出来るようになることで分かってきたことがあったので、「伴走」というのもそうだし、「一緒に考える」という支援は今もすごく大事にしたいなと思いながらno-deでは仕事していますね。
髙木それは良かった(笑)。
普段、こういう話って面と向かってなかなか話すこともないしね。あと、僕はヘルパーの魅力みたいなものはすごくあると思ってて。
色んな利用者さんと色んなタイミングで関わらせてもらえるし、何よりも仕事のやり方が多様で自由だから、それは自分の性にも合ってるし楽しいなと思ってて。
口分田さんは今ヘルパーの仕事をしていてどう思う?
口分田この仕事をやってみて思ったのは、中からだけじゃなくて、利用者さんを含めて全体が見れるようになったかなと思ってて。
ヘルパーのお仕事って利用者さんの関わりだけが仕事って思われがちなんですけど、お迎えの時とかもそうだし、相談員さんや外部の方とも関わることで、さらに利用者さんのことが分かるようになってきたりして。色んな関わりが増えることで自分でも視野が広がった感覚があります。
あと、この仕事は個人と個人で関われるという部分もあって、そういうとこも私は好きです。
髙木僕がヘルパー始めた頃って、制度が始まるタイミングもあって爆発的に利用者さんが増えた時期でもあったんだよね。一日ひとりで7人の利用者さんを担当したりしていて。その時はヘルパーの地位みたいなのもわりと低くて、周りからも上から見られるような感じがあってそれが悔しくて(笑)。
でも、利用者さんのプライベートにも一緒に過ごさせてもらったりとか、やっぱりこの仕事ならではの楽しみはあったから、めげずにこの仕事をちゃんと頑張ろうって思って。
その日の流れを事前に自分の中でシミュレーションして、相手の気持ちのことも考えてプランニングしながら最初から最後までを想定してやるとかやってましたね。

“目に見えない支援”を提供したい

髙木no-deも始まってから2年ほど経って、口分田さんにはno-deが始まった頃から携わってもらってて色々苦労も多かったと思うけど当初はどんな苦労があった?
口分田私もno-deは始まる前までは、ある程度ベテランさんがいる環境でずっとやらせてもらってたので、no-deになってからは最初何をすればいいか分からなくて、発足当初は色々大変でしたね。
最初はこの広い事務所で一人しかいなくて(笑)。どこからどう手をつけていけばいいのかというのもありましたし、私がやらせてもらっていいのかな?というプレッシャーもありました。髙木さんは、その時no-deを作るにあたって、こんな事業所を作りたいっていう理想みたいなものはありましたか?

髙木もとをたどるとMMKサークルの人たちが思い浮かぶんだけど、僕が理想としてたのは「目に見えない支援」も提供したいというか。
目に見える形で提供される支援、トイレとかお風呂の介助とか、まあ実際それを求めておられる方もいるんだけど、もっと気持ち的にとか、一年通してこういう時期はこんな気持ちでとか、そういう「気持ちに寄り添える」職人集団みたいなのを作りたかったんだよね。
介護技術が優れてるとか技術も大事だけど、もっと相手の気持ちを考えて、利用者さんもみんなと同じように悩むこともあるし、それに気づいてあげたいし、何もできないかもしれないけど何かチカラになりたいと思える、そういう人材を育てるというか、そういうヘルパーが増えると、もっと障害のある人の暮らしは良くなるんじゃないかと思って。で、今まさにno-deの職員の方たちがそうしてくれてるのがすごいなと思ってて。でもそこに関しては僕は何もしてなくて、僕の成果ではなくてこれは口分田さんの成果かなと思ってる。
ただ結果的に望んでた形にはなってるから、ほんとに僕は幸せもんやなと思ってて(笑)。
口分田私は日々、これでいいのかな?っていうのは思いながらさせてもらってますね(笑)。
髙木利用者さん側からお話を色々聞かせてもらって思うのは、心の満足度がすごく高いなって思って。no-deのヘルパーだと気持ちが満たされるというか。まだ発足して2年ほどだけど、それなりにno-deは良い事業所になってるんじゃないかなと思ってます(笑)。
口分田no-deでは今利用者さんが50〜60人ぐらいいて私もできるだけ利用者さん全体は把握しておきたいと思ってるんですけど、もっとできることはやっていきたいし、まだまだ自分は足りてないなと思ってますね。

ただ今でも、新規の方が来られた時は何かやろうとは思わないようにあえてしているところはあります。
最初に色々ニーズとか聞くんですけど、それよりもまずその人のことを知るとか、関係性を築くのが一番大事だと思ってるので、それは今でも気をつけてます。

髙木あと、これはほんと失礼な話かもしれないんだけど(笑)。
僕が最初に思ってた数十倍、口分田さんが仕事ができる人なんだって思った時期が、no-deがはじまって半年ぐらいのころにあって。もう一人の代表の歌藤さんともその当時それはすごい話してて。
しんどい思いもたくさんさせてしまっただろうし、負荷も相当なものだったと思うけど、ある意味その負荷があったからこそ、その時期にグッとチカラをつけてくれたのかなと思うところもあって。
口分田さん自身はその当時、自分で自分が変わったな、と思うところはなかった?
口分田いや、自分ではあんまり・・・(笑)。未だに電話するのも緊張したりしますし。会議の後は毎回自分で反省会してますね(笑)。

これから先のno-deについて

髙木こないだこれから先のことを少し話をしたけど、どんどん人を増やして事業拡大していくのかとか、あらためて今後のことについてはどう思う?
口分田今の状態だけでも精一杯なとこもあるので、今のままでいいのかもという気持ちのが6割ぐらい・・・(笑)。
でも、この仕事はけっこうニーズがある仕事かなと思ってて。利用希望の方からの連絡も今でもよくいただきますし、ちょっとでもそういう気持ちに答えてあげたいというか、チカラになりたいっていうのが残り4割ぐらいあって。そうなってきたら何かを変えないと、このままではいけないなとは思いますけど。

髙木僕らってそういうのに弱いしね(笑)。
すごくお金儲けしたいとか会社を大きくしたいっていう始まり方じゃなくて、人に必要とされちゃうと答えたくなってしまう性分というか。そこまで言ってくれるなら一肌脱ぐか!(笑)みたいな。
口分田個人的には、ここ最近の話で女性の利用者さんで軽度の方ではあるんですけど、何かできないかなと考えることはありました。その人が言って下さってたのが「頼れるのはno-deさんだけやわ。」と言ってくださってて。
ほんとに細かい悩みとかも聞いてくれるのはno-deさんだけって。
髙木そう言われると弱いね・・・(笑)。
僕個人としては人も含めて今の現状でも十分満足できるぐらいの環境にはなってきてるんやけど、最近の傾向を見てたら“新しいニーズ”みたいなのが生まれてきてるんじゃないかと思ってて。
ていうのは今までとった杵柄で培ってきたものが通用しないようにも一部なってきてるんじゃないかなと僕なりに自覚があって。だから、自分が今まで得てきた経験と紐付けて若い人たちにレクチャーするというのとも、おそらく違うタイミングが来はじめてきてるのかなと思ってる。
だから、今現場で働いてくれてる若い人たちにある程度任せないといけない部分もあるんだろうなと個人的には考えてますね。
口分田髙木さんは私が学生の頃から、教えるというよりも一緒に考えようっていうスタンスでいてくださってるのは今もそうですし、普通ならベテランさんからこうしなさいみたいなのがあると思うんですけど、のびのびと仕事させていただいてるなと思います。
髙木事業の拡大ではなくて、事業の“質”みたいなのでこれからこうしてみたいというのはある?
口分田新規の方もいらっしゃるんですけど、既存の利用者さんでも利用の回数が減ってしまったりした方もいらっしゃるので、アフターケアをもっと大事にしていきたいというのはあります。
もちろん日々の支援も大事なんですけど定期的に今後のことを話したりする時間を設けたりするのも大事と思ってます。今、職員も十分頑張ってくれてるんですが、さらに職員の支援の質もあげていきたいと思ってます。
キャンセルがあった後でも、自分ができる範囲で出来るだけ連絡をとるようにしてます。

髙木僕がやりたいなとか大事にしたいなって思ってることが、口分田さんとは100%合ってると思うので、そこに関しては安心してそのまま仕事してもらえたらと思ってるしそれを邁進してほしいし、それをできる環境をつくってあげたいと思ってます。
職員もみんな若いし、これからどんどん脂乗ってくると思うんですよね。
口分田同年代だからこそ、私もどこのポジションでいるのがいいのかな、難しいなって思うとこはありますね(笑)。
髙木自分が大事にしてきたものをこうやって口分田さんのように引き継いでもらえる人がいて、また口分田さんも自分自身がno-deで思いを入れて作り上げたものを次の人につないでいけるようなそういう場所になると良いなと。10年20年30年、いい意味でこういうスタイルが続けていけたらと僕としては思ってます。
口分田私としては、まだまだ教えてもらいたいことだらけなんですけどね(笑)。
髙木みんなにもよく言ってるけど、この仕事は楽しいし、興味深いなと自分が自分で思えてるのが面白いなって僕は思っていて。
僕がこれまでヘルパーとして経験したこともほんとはもっともっと職員間で伝えていきたいし、これからできるだけそういう機会も作っていきたいと思うのでどんどん好きな部分を各個人で拾っていってもらえたらな、って思います。

口分田私個人としては髙木さんのように、指導してくださるんじゃなくて引き出してくださる。そういうコーチングの技術?をずっと身につけたいなって思ってます。職員が働きやすい環境にもどんどんしていきたいです。
答えを出すんじゃなくて、みんな元々持ってるものが必ずあるのでそれを引き出していけるようになりたいと思ってます。
髙木今日はちょっと照れくさかったけど、話せて良かったです。感謝です。
口分田こちらこそ、ありがとうございました。

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