SPECIAL
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2024.03.31
特集『ありがとう、面接。』
昨年から始まった新年度に向けてのno-deの採用活動を通して、代表お二人の採用面接における取り組み方や意識には今回様々な変化があったようです。
そこで今回の記事ではお二人に直接インタビューして、どのような変化があったのか。また、採用面接に来てくれた人たちへの想いなどお二人の胸中を深掘りしてみました。
「no-deらしい面接」の正体がお二人の言葉を通して、浮かび上がってきたように思います。ぜひご覧ください。
(聞き手:デザイナー橋口)
面接を行うと同時に自分自身も変化していった
Q.本年度、これまでにないくらい採用面接をたくさんしてきたということですが何月からされてましたか?
- 歌藤11月〜2月いっぱいぐらいまでですね。
Q.合計何人ぐらいの面接をされてきたのでしょうか?
- 髙木パートさん合わせると25〜30人ぐらい面接させていただきました。
Q.ハローワークや求人サイトなどどこからの応募が傾向としては多いですか?
- 歌藤ハローワークは意外と少なかったかもです。Engage(エンゲージ)とか、あとはno-deのWEBサイト(ホームページ)から直接問い合わせフォームでの応募が多いですかね。
Q.応募されてくる方の年齢の割合はどうですか?
- 髙木去年の11月〜12月はわりと40〜50代の年配の方が多かったんですけど、年が明けてからは20〜30代の方の応募が増えてきましたね。パートさんの募集はもともと春休みの期間での募集だったりしたので10代の方の応募もありました。
Q.今回お二人がたくさんの面接を通して、心持ちの変化があったとのことなんですが、どのような変化がありましたか?
- 歌藤面接のやり方を変えようと思ったわけではないんですが、結果的に面接をする内に自分の意識の内在的な変化と共に自動的にやり方が変わっていったという感じでした。
一方的なコミュニケーションでなく「双方向」であるべき
Q.今回のたくさんの面接をする上でどのようなことを意識して面接に臨まれていましたか?
- 歌藤その人自身をちゃんと見よう、というのはかなり考えてた気がしますね。
Q.これまで以前の採用面接の時にもその部分は見ようとされてたと思うんですが、今回そことの違いはどのような部分ですか?
- 歌藤採用する、しない、は一旦置いておいて、まずはその面接に来てくれた方の人間としての部分をしっかりちゃんと見よう、という意識ですかね。いつも自分はタブレットを持って面接に臨んでたんですけど、もうタブレット持つのはやめようと思い始めて。
タブレットに書いてある「何を聞く」とか、聞いたことをメモするみたいなことを以前はしてたんですけど、もうそういうのいらないなと思ったんですよね。何にもなしでその人とちゃんと向き合って目を見て、しっかり話して、その人の雰囲気全体をちゃんと掴んでコミュニケーションをとるという、面接は一方的なものじゃなくて「双方向」であるべきだと思ったのが大きかったのかもしれないです。
Q.今までのやり方だと何かが足りない、そんな風に感じていたんでしょうか?
- 歌藤たぶん、そうかもしれないですね。これまでno-deをやってきて、人を雇うことってもっと重いことっていうか、そんな簡単なものじゃないんだな、というのが経験として自分の中に染み込んできたんだと思うんです。簡単に決めていいことでもないし。
例えば「この人、面白そうだし一緒に働いてみたいな。」みたいに、働くということ自体には元々自分はフランクなタイプだと思うんですけど、相手の方によっては同じ「働く」でもまた全然違う見方や環境、状況や想いがあったりするわけで。あとno-deでその人と一緒に働くかもしれないスタッフたちも。だから、採用というのは色んな人に影響を及ぼすことなんだなとより実感するようになっていったのが大きいのかもしれないです。あとは、悲しいことになりたくないな、と(笑)。仕事を辞めたりすること自体はそんなにネガティブなことではないとは思うんですけど、誰かが傷ついたりそういうのはイヤだなと思って。
Q.タブレットを持たないようにしたり、歌藤さんの意識が変わった上で臨んだ面接はこれまでと感じる部分で違ったものがあったんでしょうか?
- 歌藤最終的に自分自身が色々変えてみたことは結果的にそこまで意味は無かったかなと思ったんですが、ちゃんと応募してくれた方と向き合えたなと思えたのは大きかったですね。自分たちのスタンスをちゃんと相手に伝えたいなと思って。面接する前に人と人として喋りたいとか、雑談したい、とか自分たちはこういう気持ちで今面接をしてるよ、みたいなことを先に伝えるだとか。応募してくれた方も面接の時はやっぱり緊張してると思うんですよ。そこに僕らもできるだけ歩み寄りたいな、と。そういうことを今回思いましたね。
結果がついてくるかどうかはまだ僕らも分からないですけど、そういう意識の変化によって巡ってくる出会いも変わってくるのかなぁ、なんて思ったりもしてます(笑)。
5年、10年、その人の人生も一緒に考えたい
Q.髙木さんは自分自身に感じた変化などはありましたか?
- 髙木今までだったら「運転できますか?」とか「パソコン使えますか?」とか、まずはno-deの業務上で必要なことを聞くことを面接内で自分がこなさないといけない、というか。聞いておかないと後々お互い大変になってしまうからというのもあったのと。あとは、ある程度、面接って真剣な場でもあるから僕ら自身も真剣でいないとな、というポリシーのようなものがあったんですけど。
これまで色んな人と一緒に働いたり、面接させてもらってきたことで、そういうことを超越してその人自身の「生き方」とか「人間性」みたいなところって仕事と表裏一体だなと思って。
例えば仕事を5年するのであれば、その人の生活も5年あるわけで。なので、もしここで5年10年働いてもらうのであれば、この先5年10年どう生きていきたいですか?という話も聞きたいなとも思ったので、そういう話が出来るようにリラックスしてもらったりだとか、質問工夫したりとかしてたと思います。この先、その人と5年10年一緒にいられる人を採用したいな、と思って。
Q.そのようなお考えのもと、今回11月からのたくさんの面接に向き合ってこられたと思いますが、結果的に今までと変わったなと思ったところはありましたか?
- 髙木いわゆる面接官として自分自身が成長できたのかはわかりませんが、no-deとしての面接の「色やカタチ」が今回見えてきたような気がしましたね。前はもっと一般企業のような面接だったかと思いますが、今は「no-deに入ってもらう」ための面接のカタチというか。そういうのが見えてきたのが大きかったです。
Q.ちなみにその「no-deらしい面接の色やカタチ」の内容を少し教えてもらえたりしますか?言語化するのは難しいかもですが。
- 髙木これまでは、キャリアアップを志望されてる方や、管理者になりたいとかリーダーになりたいとか、将来の職場での自らのイメージをどう持っておられるかというのを必ず面接では聞いていたんですが、今ではそれだけじゃない「どう生きていきたいですか?」というその人の人生にまで踏みこんで聞くというところが一つあると思います。その人の人生を一緒に考えたいなというか、その人の生き方に逆にno-deが合うのだろうか?とか。no-deに合わせてもらう部分もあるけど、むしろno-de側からその人に寄り添っていく、フィットさせていくというようなところも考えるようになったのかもしれません。
以前とある方にもお話しさせてもらったんですけど、「ある利用者の方が来ることになって、その方に最適な介護は何か?どうするか?」というのをその方は職場で考えていた、と・・・。でも、no-deに来たら、もちろん来た人に対しての最適な介護も考えることはできるけど、こういう人やこういう利用者さんに出会いたいなって自分から手を伸ばすこともできますよ、とお伝えさせてもらったことがあったんですね。そういう意味では、自分の職場を自分らしく作っていくっていう、no-deはそういうことも出来る会社だし、そういうところに魅力は感じますか?というような話は面接でもしてましたね。
そういうことを一緒に考えてくれる人がno-deは欲しいし、一緒に働きたいって思っています。
Q.歌藤さんも同じようにno-deらしい面接になったとお感じですか?
- 歌藤そうですね。僕らが逆に面接してくれた方たちに叩き上げてもらったというか、鍛えられて育ててもらったような気もしますね(笑)。
- 髙木ほんとに心から思うのは、採用不採用関係なく、no-deに応募してもらって、僕たちにも時間を割いてくださって本当に感謝というか、ありがたいと感じてます。
不採用だったからといってそれが全てだと思ってほしくない
Q.なるほど。では、今回のたくさんの採用活動を通して面接や採用活動自体が好きにはなりましたか?
- 歌藤いや、できればもうあんまりやりたくないかな・・・(笑)。
- 髙木(笑)
- 歌藤やっぱり真剣に向き合う分、自分たちも相当なエネルギーを使いますし、面接が終わった後にも、応募してくださった方に合否の決定と連絡をしないといけないんですけど、そこもかなり精神的に削られるというか・・・(笑)。応募して面接してくださった方の顔も浮かびますしね。いずれにせよ、僕らは合否というジャッジというか判断をしないといけない立場なんですけど、例えばそこで不採用の連絡をもらった方もそれが自分の評価のように捉えられてしまうと、こちらとしても悲しいな、と思って。不採用だからといって否というわけではなくて、やっぱりno-deという会社との相性の合う合わないがあると思うので、一概に落ちたからバツ、受かったらマルのようには思って欲しくないなって思いますね。
だから、自分たちも今後の理想としてはちゃんと絞り込んでいくというか、採用サイトとかにも何も載せなくてもよくなる状態まで出来たら理想的だなって思います。
Q.今後もno-deの面接はどんどん進化していきそうな感じも受けたのですが、今後新しい面接の取り組み方とかも増えていきそうですか?
- 歌藤今でも、面接に来てくれた方に直接現場で利用者さんと少し関わってもらったり現場を見て、どんなところかを感じて帰ってもらうみたいなことはしてますが、新しい取り組み方が増えるというようなことはないんじゃないかな。
何か目新しいことをするっていうのは企業側が能動的にその人を掴みに行ってるじゃないですか。それよりも、面接に来てくれた人がここで面接を受ける時は出来るだけリラックスしてふかふかのベッドで寝てもらうようなできるだけニュートラルな感覚になってもらって本来の自分でいてもらう、それからno-deに合うか合わないかを判断してもらう。その方が自分たちのスタンスには合ってるんだと思いますね。