SPECIAL
TALK
2023.07.31
特集『福利厚生で占いはじめました。』
no-deにはここで働く職員の方たちに向けて様々な福利厚生が用意されていますが、なんと!今回その福利厚生に「占い」が加わるということで共同代表の一人歌藤さんと、no-deで占いを担当されているなぎささんのお二人にそのきっかけから、思いなど色々とお話しを聞いてきました!
いまだかつてあまり聞いたことのないタイプの福利厚生「占い」とはどういったものなのでしょうか?
その真相やいかに・・?
(聞き手:no-de担当デザイナー:橋口)
(話し手:no-de代表:歌藤/手相鑑定占い師:なぎさ)
新鮮で新しかった”占い”という体験
– no-deの福利厚生で「占い」を取り入れて始めたきっかけや経緯を教えてください。
- 歌藤まずなぎささんとの最初の出会いから。橋口さん(※no-deの外部デザイナー)がやっているボードゲームカフェ「hello」によく遊びに行くのですが、そこのスタッフのなぎささんが占い師をやっている方だったんです。僕自身、占いを体験することがあまりない人間だったこともあり、たまたまそこで占いを体験したのが最初のきっかけだったと思いますね。
で、そこで得た体験がすごく自分的にも新鮮で新しかったのが一つ。
- もう一つが、前からno-deの職員さんにカウンセリングを受けてもらえたらいなと思ってて。
というのもふだん、組織で働いてると色々と思う事とか抱えがちな悩みがあったとしても、なかなかそれを打ち明けたり話す場であったり、一緒に相談できる機会がなかなかないなと。だからメンタルヘルスみたいなものを取り入れたいと前から考えてて、産業カウンセラーの方に来て頂いてストレスマネジメントの研修会をしたりなどは、no-deでも過去に何回かあるんですけど、それだとどうしても間に合わないかなという感覚があって。それで外部の人に定期的に来てもらう方がみんなの働く面でのストレスが減るんじゃないかなと思ってたんです。
この仕事ってどうしても利用者さんとか職員間でも「人間」の中で働くからそこでの課題は人間でしか解決できないと思ってたんですよね。で、もう一人の代表の髙木さんと打ち合わせしてる時に、「こないだ占いに行ってきてすごく良かったんです」という話をしてたら、髙木さんが「あ、それウチの福利厚生にしたら良いんじゃない?」って言われて「なるほど!!それはたしかに面白いかも!!」ってなったのが最初の経緯ですね。
– なぎささんは普段どういった占いをされているのですか?
- なぎさ手相鑑定と、オラクルカードというものを使って占いをしています。
まず相談内容をお聞きして、手相ではその人の性質とか性格をみて、オラクルカードでは今後どうなっていくかをみていく感じです。
手相ではどうしてもその人の現状とか持っているものしかみれないので、私の中では、手相では統計学をもとにしたもの、オラクルカードは私がカードから受け取ったものの両方を合わせてみるというスタイルですね。
もちろん相談内容は誰に対しても一切口外しないですし、秘密はお約束しますというのが前提です。
– なぎささんはその福利厚生の占いの話をもらった時はどう思いましたか?占いで企業に関わるのは初めてですか?
- なぎさ初めてでした。私はふだんhelloでカフェスタッフをしながら個人的にそこで占いもさせてもらってたんですけど、別の場所でももっと占いをしたいとちょうど思っていたタイミングだったんですね。
そしたらほんとにタイミングよくその話を橋口さんづてに聞いて「是非やってみたい!」という気持ちになって。
で、橋口さんからもno-deの人たちのお話やお人柄を聞いたりして「合うと思うよ」って言ってもらってたのでそれも後押しになって、一度打ち合わせをさせてもらいたいと思ったのが最初でした。
– その時はどういう風に自分の占いでno-deに貢献できると思いましたか?
- なぎさふだんカフェで占いさせてもらってる時もそうなんですけど、実際占いをしていると、身内でも話しにくいこととかを
意外に皆さん抱えているんだな、と感じていて。
私はほんとに全く何も知らない第三者という立場だからこそ、相手の人も話しやすいだろうし、人に話すことで自分を整理するきっかけとなる役割ができるんじゃないかなと思いました。
”なぎささん”にやってもらいたかった
– なぎささんは前にあまり「占い師っぽく」ありたくないということを仰ってましたが、その真意はどういったことですか?
- なぎさいわゆる占い師の世間的なイメージでいうと、占いの館のような所に常駐していてそこで何か相談事を聞いて解決策を占いによって提示してみたいなのが一般的だと思うんです。
でも私は、もっと話す相手として日常の延長のような関係でいたいというか、相談してくださる相手の方と常にフラットな関係、気軽にさらっと話せて話も聞いてくれる相手のような自分でありたいと思ってて。自分で占いの館に行ける人は逆にそれだけエネルギーがあることでもあって、かえってそこにさえ行けない、行く機会のない層の方たちにフィットするような存在でいたいという思いです。
こっちは偉いわけでもなんでもないので、相談事をする人と解決する人のようなハッキリした構造ではなくて、もっと曖昧な存在というか。とにかく相談してくださる相手の方を弱者側にしたくないんです。 - 歌藤そう!これとっても重要なことなんですけど、今回僕も占いできる方だったら誰でもよかったわけではなくて。
もともと僕が「占いを福利厚生でやりたい」って思っていたわけでもなくて、なぎささんに出会ってこの人にno-deの職員の方たちと話してもらいたいたいなあ!というのが本当のきっかけなのでここは今回の福利厚生で占いをするという事でもけっこう大事なポイントですね。
占いのいいところは良い意味で”根拠のない”心地よさ
– 歌藤さんは代表としてno-deで働く方たちのストレスケアの重要性みたいなものはどのように捉えていますか?
- 歌藤人と関わる仕事だからストレスはかかるし、no-deの職員さんはみんな優しい人が多いんですよね(笑)。
で、優しい人って、なかなか外に出したり人に言えないじゃないですか。だから出口がなくて自分で悩んじゃうっていうのがあるんだろうなとは想像してて。
ほんとなら僕とか髙木さんがその悩みを聞いてあげて解決できたら良いと思うんですけど、中には僕たちにも言いにくいとか仲間同士でも言いにくい悩み事とかもあるだろうなと思ったら、第三の場とかサードプレイスみたいなものがやっぱり必要だなって前から思っていたんです。その辺りを会社としても職員さんに何か用意してあげられないだろうか?と前から思っていて。
僕が思う「占いの良いところ」って、語弊を恐れずに言うと良い意味で「根拠のないところ」だと思うんです(笑)。
もちろん、占い師の方はなにかしらの根拠をもとにお話をされてると思うんですけど、でも聞いてる方からすると何を根拠に言ってるんだろう?というのが頭のどっかにはあるっていう。でも、初めての占いしてもらった時、それがかえって自分には心地よかったんですよね。
何も根拠があるわけではないけど「○○○はこうです」と言い切ってくれる感じとかが逆に良いなと思って。
今まではカウンセリングの専門家とかそういう人にやってもらった方がいいんじゃないかと思ってたけど、占いを体験してみて、実はそうじゃないんじゃないか?ってなって。というのも、結局話して解決できるかどうかって誰にもわからないじゃないですか。
結局、人間って自分が変わるしか解決できないことってあると思いますし。
だから「解決」よりも「吐き出す」「口にする」っていう方がよっぽど大事なんじゃないのかな、って思ったんです。
– 占いを福利厚生でやってみるということになって職員さんたちから抵抗などはなかったですか?
- 歌藤抵抗があったかどうかは僕も実際のところは分からないんですけど、福利厚生ってそもそも会社のエゴでしかない部分ってあるじゃないですか。会社側が勝手に、「職員の方たちがこうやったら働きやすいかな?」を勝手に想像して考えてやるっていう。だから、どんな反応があるか分からないけど、一旦やってみないと分からないからまずはやってみよう、と。
実際に占いをやってみて
– その後占いを一度試験的にやってみようということになり、まず野村事業所の5名の職員の方を占ったそうですが、なぎささんは実際に占いをやってみて職員の方たちの反応であったり、どのような感想や印象を持ちましたか?
- なぎさ当日は、no-deさんの個室でお一人ずつ時間を設けて占いをさせてもらいました。
今までは占いをする時は、お客さん側から占いをしてほしいという向こう側から能動的に来てくれる状態からのスタートだったんですけど、今回のno-deさんの場合はそれとはまた違うので、今までのやり方とはちょっと違って今回はこちらから聞き出していくというのを意識してやってみよう、と。
でも、いざやってみた感想としては、意外に今までやってきた感じとそう変わらないというのが最初に抱いた印象でしたね。みなさん最初は会社での福利厚生ということで受け身でやってくる方がほとんどだったんですけど、占いをして話していく内にこちらが思う以上に積極的に話してくださる方が多かったというのが印象です。最終的には、話す時間が足りなくなるくらい話したいことをたくさん持っているんだなと思いました。 - 歌藤実際やってみて、占いの結果に対しての内容を聞きたいという方と、自分の話を聞いてほしいという方とどちらの方が多かったですか?
- なぎさ占いの内容を聞きたい方の方が多かった印象ですね。
- 歌藤「私はどうしたらいいですか?」みたいな?
- なぎさそうですね。
最初はこちらから色々とお聞きして占いを進行していくんですけど、途中からは受けている方の方から「このカードはどういう意味ですか?」とか、どんどん質問が出てきたので追加でカードを出した場面とかもありましたし。「何個も話したいことがあるんですけどいいですか?」とか途中から「これもあるんですけどいいですか?」とかどんどん職員さんの方から会話の内容が盛り上がっていったという印象でした。
最初は消極的だった方も、ご自身で話していく内にどんどん「自分も話していいんだ」という空気に変わっていって、たまっているものを吐き出してくれるようになったので、それはすごくやってみて良かったんじゃないかと感じた瞬間でしたね。
ほとんどの職員が好意的な反応だった
– 実際占いをした後のno-de職員の方たちの反応はいかがでしたか?
- 歌藤占いのあとに、受けてくれた職員みんなにアンケートを取ってみたんですけど、ほぼ全て好意的な反応でした。
やっぱり話を聞いてもらえたというのがすごく大きかったみたいですね。
その結果を受けて僕らとしては「良かったなあ」というのと、普段僕らってあんまり話を聞けてあげれてないのかな・・・?って両方思いました。(笑)嬉しさとちょっとした悲しさっていう(笑)。
– 比較するのは難しいとは思いますが、いわゆるカウンセリングと占いの違いはどう感じましたか?
- 歌藤まず「カジュアルさ」が違うんだろうなというのは感じました。
いわゆるメンタルケアとか心理カウンセラーの方が相手だと変に身構えてしまって、なんとなく意識して作ったある意味ちゃんとした悩みとかを話してしまいそうなイメージなんですけど、占いだと本音を言えたりとか、仕事に関係あるかもしれないけど、仕事に関係ないことも含めて話せる内容の領域が広がってるんじゃないかなという気がします。
占いの会話だとそのカバーできる範囲みたいものがカウンセリングに比べて違うんじゃないか、と。
no-deは何かのきっかけとなる良い場所であってほしい
– 代表の歌藤さん(と髙木さん)として、今回の占いを福利厚生にすることなども踏まえ、no-deの職員の方たちには今後どんな働き方をしてほしいと思っていますか?展望も含めて教えてください。
- 歌藤日々、僕たちも迷いながらではあるんですけど、やっぱり結局は自分たち含め職員の方たちや利用してもらう方、関係者の方たちみんなが「ここ(no-de)にいていいんだ」「みんなと一緒に仕事ができて良かった」と思えるようなものにはしていきたいんですよね。
でも、それって結局僕らのエゴでもありますし、他の人にこうなってほしいというのは言えないし、おこがましい、という思いももちろん頭の片隅にはありますよ。
ただ、何かの縁があってこのno-deでみんな集まっているのだから、自分自身をここで発見したり、他の人と接する事で互いに成長できるような「良い場所」ではありたいなとは常々思っています。
結局、自分を変えれるのは自分自身しかないんですけど、それを変えないまま放置されても何かイヤじゃないですか。
だから、自分自身を見つめるきっかけとか、自分をエンパワメントする何かになれたらいいな、というのがno-deの想い、エゴですね(笑)。
だから、今回の占いを含めた福利厚生もけして押し付けがましいものではなくて、こちらで用意したものを人によって使えるものは大いに活用・利用してもらったらいいし、そこで何かその人やみんなの風通しが良くなったり、流れが良いふうに変わったらいいなと思っています。
– 福利厚生の占いは今後も続けていくのでしょうか?
- 歌藤そうですね。しばらく、継続的にやってみることで見えてくることもあるのかな、と。・・・まあ別に見えてくるものがなくてもいいんですけどね(笑)。
実際今回試験的にやってみたことで想定以上に職員の方たちもたくさん話ができたようなので今後しばらくなぎささんにもお手伝いいただきたいと思っていますね。
自分が誰かのストッパー役になれたらいい
– なぎささんは今後占いを通して、no-deを含めてどんな風に人と関わっていきたいというビジョンのようなものはありますか?
- なぎさ「爆発してしまう人」が減るといいな、というのはあって。
言いたい事がいえなくてためてしまった結果、爆発してしまう人って世の中には結構多いと思っていて、自分が占いや話を聞く事でそれのストッパー役になるじゃないですけど、そういう役割をする、それが私ができることの使命みたいなものなのかなっていうのは思っています。 - 歌藤めっちゃ良いですね!
今は分からないけど何か人それぞれみんな使命みたいなものがあるんでしょうね、きっと。
なぎささん、今後ともno-de共々よろしくお願いします。今日はありがとうございました。
- なぎさありがとうございました。