SPECIAL
TALK
2022.10.30
特集『ぶっちゃけ、子育てってタイヘンですか?』
no-deには、働きながら子育てしている職員が何人もいます。
以前にも増して働き方が多様になったと言われる現代。
仕事と家庭との関係は年々変化し、進化しています。
no-deで働いている職員も同様でみなさん仕事もしながら毎日子育てにも向き合う生活をしています。
no-de代表の一人である髙木もその一人でまさに子育て真っ最中。
今回はそんな髙木の発案で「みんな仕事と子育てどう向き合ってる?」をテーマに、まさに今子育て中の職員一同が集まってざっくばらんに互いの近況を自由に話してみました。
同じように仕事を持ちながら子育てしている方、仕事はしていなくても日々子育てに向き合っている方。
no-deの職員も「一人の親」として場所や立場は違えど皆さんと同じ仲間です。
職員はどのように仕事と家庭について考えているのか?会話を通してその一部をのぞいてみましょう〜!
(聞き手:歌藤/no-de担当デザイナー:橋口)
(話し手:髙木♂/山田♀/坪口♀/今出♂)
子どもってかわいいですか?
– (歌藤)僕は子育てしていないので、まず素朴な疑問として聞いてみたいのですが、『子どもはどんな時でもかわいい』って聞いたことあるけど皆さんどうですか?
- 山田♀極端に言うと、ちょっと言い方悪く聞こえるかもですけど「今いなかったらいいのにな」と思うこともたまにはあります。ていうのは夫と飲みに言ったり趣味の釣りに行ったりしたいけど、子どもがいると制限されて出来ないこともどうしても増えてしまうので、基本もちろん可愛いんですけど、普通にそう思ってしまうこともあるにはありますね。
でも、そう思うことと子育てとは別物だと思うので、自分では特にそう思うことが悪いことだとは思ってないです。 - 坪口♀常に可愛いはないです(一同笑)。私も山田さんと同じで、もっと自分の時間がほしいと思うことはあります。でも、いま山田さんの話を聞いて、私だけじゃなくてそういう思いの人もいるんだ、私だけが悪い考えじゃないんだって思うことが出来たのはちょっと嬉しかったです。
- 今出♂僕は正直、常に可愛いですね(一同笑)。やっぱり子育てしていて面倒見たりとかめんどくさいな、と思うことはありますけど、やっぱり100%可愛いです。
- 髙木♂僕は人の子の方が全然かわいいかな(笑)。RECOで他の人の子を見ていても、自分の子の時よりも全然許せる(笑)。自分の子に対しての方がすぐにムカついたり怒ったりすることがあります。
– (歌藤)ちなみに橋口さんは?
– (橋口)僕は逆に、人の子の方が可愛いっていう感覚はないかも。自分の子の方が許せるかな。。「可愛い」っていう感じとちょっと違って、子どもは興味深い存在というか、一人の対等な相手としてリスペクトしてる感じですかね。
- 山田♀私も同じですね。子どもだからといって子ども扱いしないというか、一人の人間として言うことは言うという感じで。
– (歌藤)なるほど。坪口さんはどんな風に子どもと接してる?
- 坪口♀私は普段基本家では怒ってることの方が多くて、あえてほったらかしの方が多いですね。私もそんなに子ども扱いしてないかも。
周りの人たちにも、まだ子どもやんかって言われることもあるんですけど、この子が大人になった時に困ってほしくないという思いもあって、基本的には子どもとしてあまり接してないと思います。
仕事と子育てについて
– (橋口)髙木さんは「仕事と子育てについて」っていうテーマでみんなにも話を聞いてみたいと話してましたけど。
- 髙木♂僕は昔から自分の家庭の子育てと、仕事で接するお子さんとの境界線もあまりなくて。いわゆる仕事と家庭を別に切り離して考えていないというか。子どもの成長は家でも職場でも同じように見えていて、職場での子どもを見ていても、「あ、ウチの子でも家でこんなことあったな。」とか同じ線上にいる感じで。
同様に、no-deで働く職員の人にも、仕事は仕事、家庭は家庭、家の事を職場に持ちこまないでください!みたいなことは一切なくて、むしろどんどん持ち込んでもらっていいと思ってるし、自分の家の事も職場の事もすべてひっくるめてのこういうお仕事だと思ってますね。
だから、今日みたいな子育てしてる職員のみんなにも、no-deはそういう考えだよ、というのをちゃんと伝えたいなと。
– (橋口)今の話を聞いて、山田さんどうですか?
- 山田♀私は元々この会社なら仕事と子育て両立できるなと思って選んでいて。私も髙木さんと同じで、職場と家庭は全然切り分けてなくて、自分の子どもの成長も、職場の子どもの成長も同じ目線で見れていますね。
自分の子どもとの発達年齢がインクラインに通う子どもたちと近いというのもありますし、私自身もちょくちょく職場に自分の子どもを連れてきていることもありますし。
– (橋口)実際にno-deで働いてみてもちゃんとそれが出来ているという実感がありますか?
- 山田♀実際今、仕事と家庭が両立できていると思いますし、職場の方達もそこに理解のある方ばかりなので、例えば自分の子どもが急に風邪ひいて病院に行かないといけないとかトラブルが合っても周りの方も「いいよー」って感じで対応しやすくて、「申し訳ないです・・・」みたいな感じもこちらから出さなくても理解してくださるので、そこは働いててすごく楽に感じられてると思います。
- 今出♂僕も自分に子どもがいなかったらもしかしたらここで働いてなかったんじゃないかなと思うところがあるんです。
というのはそれは福利厚生うんぬんとかの話ではなくて、no-deに通う子たちを最初に見たときに、自分の子どもを見る目線もまた一個変わったというか。
元々子どもは好きだったんですけど、またさらに子どもがかわいく思えるようになって、福祉の仕事をしようと思ったときに、やっぱり子どもに携われる職場が良いなと思ってここを選ばせていただいたという感じです。
なので、僕も家と職場を分ける、という感覚は今はなくて、自分の子のことがかわいいようにno-deにいる子たちもかわいいと思えるし、ここで働く職員さんも自分と同じように子どもを大切に思っている方たちなので気持ちも理解しやすいというのはあります。 - 坪口♀私も職場と家庭を分けてはいなくて、利用者の子に叱ってしまった時に、家に帰った時に自分の子にも叱りすぎてないかな、と反省する時があります。
家でも自分の子どもだとちょっと目についた時に怒ってしまったりする時もあるので、もっと優しくならないといけないな、と思う時があったり。自分自身の子育てに対する勉強というか、日々、反省することが多いですね(笑)。
– (橋口)先程、今出さんも仰っていたように、no-deには子育て中の職員の方も多いので、互いに理解しやすい環境があるとのことでしたが、子育てをしていない職員とのギャップのようなものはあったりしますか?
- 今出♂今はインクラインの職員が山田さんと私とあと、子育て中ではない鈴木さんの3名なんですけど、良い意味でみんなゆるい柔らかい雰囲気もあるので、感覚がみんな近いというのもあるかもしれないですね。
- 山田♀今は職員間のバランスもちょうど良い感じでまとまってますよね。パートさんも含めて、みんなまとまりがあるように思います。
– (橋口)子どもたちが過ごす環境としては周りの大人達がまとまっているのはとても良い環境ですよね。その分、子どもたちも安心して過ごせそう。
– (歌藤)それもそうだし、職員間の共通理解が深いと、互いに自然とコミュニケーションが深まるので職場での子どもの事故が減ると感じています。職員間の連携や関係性も深まってきているし、致命的な事故やトラブルも防げているのだと思います。
– (橋口)坪口さんは山田さん達とは別の野村事業所(RECO)で勤務されていますが、他の子育てされていない方とのギャップなど感じたりすることはありませんか?
- 坪口♀皆さん理解してくださってる空気は職場に流れてると思いますね。遅くまで仕事で残っていても他の職員さんが「子どもさんいるから早く帰って大丈夫だよ」と声をかけてくれたり。
– (橋口)同じ子育て中の髙木さんも野村事業所にいることで、髙木さんからその空気が生まれているのもあるんでしょうか?
- 髙木♂僕が職場でずっと意識しているのが、「自分の家庭の状況を正直に言うこと」。
例えば、自分の子どもが今熱出してるとか、子どもの通院中なので電話に出れません、とか。そういうのを自分が言うことによってみんなも言いやすい雰囲気になるのは意識してますね。 - 山田♀職場での会議の日程決める時とかも、髙木さんが自分の子どものPTAの予定があるとか、そういうことを伏せることなく、自然と話してくれてるので、自分も言って良いんだという安心感はありますよね。
インクラインは利用者の子達が来所するまでの時間がわりと自分の裁量で動ける自由な時間ではあるんですけど、その時間も自分の家庭の都合のこととかに充てる時間にもさせてもらえたりもするので、仕事と家庭の両立はしやすい職場なんだと思います。 - 髙木♂子育てって大変ですからね。子どもの事となると自分の思い通りにいかないこともたくさんありますし。
子育ての大変さについて
– (橋口)髙木さんは他にも「子育ての大変さ」について話してみたい、と仰っていましたが、その真意は主にどういったことでしょうか?
- 髙木♂シンプルに子育てって腹を立ててしまうこともあるし、イライラすることも多いし、色々大変だししんどいよね、ってことなんですけど。
でも、そう感じることを否定する、悪いこととするんじゃなくて、もともと思い通りにならない子どもを相手にしているんだから、僕たちも一人の人間なんだし、そう感じるのは悪いことじゃないよね、っていうのを言いたかったというか。
ちゃんとその大変さはみんな分かってくれているよ、っていうのを伝えたかったんですよね。
– (橋口)坪口さんはお子さんが現在小学三年生ということですが、大きくなるにつれて子育てが楽になっていくようなこともあるんでしょうか?
- 坪口♀楽になっていくというよりも、年齢によって年々大変なことの種類が変わっていくみたいな感覚ですかね。
うちの子は小さい時は言葉を話すのが他の子よりも遅くて、不安で先生にも大丈夫ですかね?って聞いたりしていて、家でも子どもが何か困った時に泣きわめいているけど、子どもはうまく言葉に出せないから、こっちもどういう風に接してあげていいか分からなくてイライラしてしまったりしていて。
あと、子どもが大きくなって話せるようになったらなったで、うちの子はマセてるので生意気なことも言ってきたりしてそれにまた腹が立ってしまったり(笑)。
– (橋口)no-deに来ている子達にも同じように難しいと感じる場面はあったりしますか?
- 坪口♀ありますね(笑)。お片付けとか、出来るだけ自分で出来るようになってほしいから、そうなるように声掛けしたり接するようにはしてるんですがなかなかこちらの思うように行かなかったりして。
でも、先に何かやりたいことがあるんだな、とかその気持ちも同じ一人の人間として分かるので、そこは出来るだけ共感してあげたいとも思うし。日々、色々悩みながら奮闘してます(笑)。
– (橋口)なるほど。そしたら、家で自分の子どもにも共感することが増えたり?
- 坪口♀いえ、自分の子には全然共感しないですね(一同笑)。「はやく、片付けて!」って感じで(笑)。
– (橋口)山田さんと今出さんはお子さんがまだ幼児さんで小さいですが子育てで大変と感じることはありますか?
- 山田♀私は全然ないですね(笑)。大変というよりも、さっき話したように、制限されることが多いので今いなかったら楽だろうな、ぐらいはありますけど、特に子どもに腹が立ったりというようなことは全く無いです。
– (橋口)もし、子どもが家でご飯をぐわーって目の前でこぼしたりしても?
- 山田♀それ見ても「あー、なんかやってんなー。」ぐらいですね(笑)。夜泣きの時とかも全然しんどいとか思わなかったです。
– (歌藤)職場でも山田さん見ていて、睡眠不足でしんどそうだなって思ったりもしたけどしんどくないの?
- 山田♀それも、子どもの夜泣きでしんどいというより「ただの寝不足」って感じですかね(笑)。
– (橋口)目の前で起きていることに肯定的でおもしろい見方ですね。人のせいにしない、というか。
- 山田♀自分の中では、これを「子育てのしんどさ」と言うか言わないかみたいな話で、それとこれとは別みたいな感じで私自身は捉えてますね。子どもとの「距離感」なんですかね。
私の場合は、今出さんのような「可愛いからしんどくない」という感覚とはまた別の感覚のような気もします。 - 今出♂僕も生活の中での小さなめんどくさいなと思うことはあるはあるんですけど、それはしんどさではないかもしれないですね。
あと、まだ子どもが小さいのでまだしんどさを感じていないだけかも知れないですし。 - 山田♀私も子どもがまだ小さいのでそれはあるかもしれないですね。
– (橋口)髙木さん、皆さんのお話を聞いてみてどう思いましたか?
- 髙木♂面白いし、みんなそれぞれのキャラに合ってる子育てをしているんだな、と。あとは、それぞれのご家庭のパートナーさんとの関係性もあってのこともあるんだろうなというのは思いましたね。
最後に
– (橋口)今日は髙木さんからの発案で、子育て中の職員さんに集まっていただいてお話を聞かせていただきましたがいかがでしたか?
- 髙木♂色々お話を聞かせていただいたんですが、なによりも「子育てがしやすい会社」っていうのをno-deで働くみんなに言ってもらえたのは号泣ものでしたね(笑)。
そういう会社でありたい、って常々思ってやっているので、今後もそういう良い文化が連鎖して続いていく場所であり続けたいと思いますね。
– (橋口)皆さんは今日お互い話してみていかがでしたか?
- 坪口♀いやー、私は山田さんみたいになりたいって思いました(一同笑)。
- 山田♀私なんて適当なだけですよ(笑)。
- 坪口♀私も適当に出来たらいいのになって思っていても、どうやってそれをしたらいいか、自分で分からなかったりするので。。
– (橋口)山田さんはいかがでしたか?
- 山田♀私は自分が適当なタイプだって自分自身で思っているので、他の方みたいにきっちりしてっていうのが逆に出来なかったりするんですけど、でもそれで良いのかな、って思います。
みんなそれぞれの「子育てのカタチ」があっていいんじゃないかなって思いますし。
– (橋口)たしかに、そうやって思うだけでも気持ちが少し楽になる方もいるかもしれないですよね。捉え方の角度の違いのような。今出さんは今日いかがでしたか?
- 今出♂面白かったですね。こうやって皆さん日々悩んだり考えたりしながらも、みんな別々の子育てに対する向かい方があるんだな、って自分の奥さんのことも含めて色々な見方が今日出来たような気がします。
– (歌藤)今後将来、また新たに子育て中の職員さんが増えたりもすると思うので、こういう機会を年一回ぐらいやってみても面白いかもしれないですね(笑)。
– (橋口)皆さん、今日は貴重なお話ありがとうございました。