incline
INTERVIEW
2021.05.31
特集『ボランティアって楽しいの?』
皆さん「ボランティア」っていうワードを聞くとどんなイメージを浮かべますか?
お手伝いさん?無償で働く人?
no-deでは「MMKサークル」や「こども食堂」でもボランティアの方々にご協力いただきながら活動を行っていますが、no-deにとってボランティアという観念は同業他社のそれとはまったく異なると考えています。現に、no-deの中心職員のほとんどはMMKのボランティアから繋がった仲間であることを踏まえると「(障がいのある人など)多様な人と接するきっかけになる」ことに加えて、自分の職業、人生を形づくるきっかけとさえなっていると言えます。
そんな「no-deとボランティア」を、実際のボランティア出身の職員に語ってもらうことで、未来のボランティアさんに向けたメッセージとなればと思い、今回の対談を企画しました。
小林陽太 (こばやしようた)
27歳
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龍谷大学ボランティア・NPOセンターの元学生スタッフ
去年はincline職員だったが、今年度からno-deライフに異動。ヘルパーになった。
登山直人 (とやまなおと)
27歳
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MMKのボランティア出身のヘルパー。no-deライフ職員。
恥ずかしがり屋。熊キャラ。
三野涼介 (さんのりょうすけ)
19歳
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龍谷大学ボランティア・NPO活動センター学生スタッフ
no-deが居心地良いらしく、入り浸っている。この頃は、no-de厨房の包丁を研ぐのが好き。
ボランティアを始めたキッカケ
- 三野学生当時はどんなボランティアをされてましたか?
- 小林自分は龍大のNPO活動センターの学生スタッフに入って、老人施設や震災のボランティア、動物関係のボランティアをしていました。
- 登山僕はボランティアはMMKだけだったんですけど、学生時代にやっていた演劇をきっかけに街の活性化イベントなどに参加したりしていました。
- 三野MMKに最初に携わったキッカケって何だったんですか?
- 小林大学2回生の頃に初任者介護研修を受けてそこでの友人に「ヘルパーやらないか?」と誘われたのがキッカケですね。で、ヘルパーやるなら一度MMKに来てみたらって言われて。
- 登山僕は学生時代の頃はとにかく色々やってみたくて演劇もそれの一環だったんですけど、ボランティアも同じく色々探してて、それでその頃に別のグループの知り合いにMMKに参加している人がいてその人に誘ってもらったって感じでしたね。
MMKボランティアに参加したことで変化した障がい者へのイメージ
- 三野その当時、ボランティアに参加していたころってどんな気持ちで参加していましたか?
- 小林障がいの方のイメージってそれまで、自分の身内にも障がいを持っている人がいたので、自分の気持ちをうまく出せないもどかしさからイライラして、他害だったり自傷をするイメージが強かったんですけど、MMKに参加してみたら、近所にいる普通のおじさんと話しているような感覚があって、そこから障がいの方に対するイメージが自分の中で変わったと思いますね。
- 登山僕は大学でも福祉専攻ではなかったですし、障がいを持つ方にもそれなりに当時偏見があったと思うんですけど、いざ参加してみたら「ああ、福祉の世界ってこんな感じなんだ・・!」って初めて知るような感覚があって。障がいを持つ方と接してみても、自分と同じような悩みを抱えていたり、僕たち以上に考えていることも多かったりして。あらためて福祉について興味を持つきっかけになった場だったと思います。
- 三野MMKと他のボランティア活動との違いってどんなところだと思いますか?
- 小林他のボランティアの時は「ボランティアするぞー!」って感じだったんですけど、MMKの時は「遊びに行こう」みたいな、友達に会いに行くような感覚でしたね。あと、当時自分も彼女がいなかったので、一緒にモテについての学習をする気分でした。
- 登山僕は他と比べる環境になかったので正直他のボランティアと比べられないんですけど、小林さんと同じように僕もMMKは友達に会いに行くような感覚があって、同じ悩みを共有できたりもそうだし、自分も一緒に成長させてもらえる場所というのが他のボランティアと違うのかなと思いました。
- 三野障がい者の方たちを支援するのはMMKが初めてでしたか?
- 小林僕はMMKが初めてでしたね。
- 登山僕も支援はMMKが初めてでした。小学生の頃から同じクラスにも障がいの方がいたりもしたんですけど、MMKに参加したことで障がいの方に対する目線が変わったというのはすごく思いますね。
福祉を仕事にしようと思ったタイミング
- 三野では、MMKで障がい者の方たちと初めて話した時の最初の印象とか覚えてますか?
- 小林大柄な方がたくさんいたなっていう印象でしたね(笑)。 あと、運営されていた方もスーツを着てとても爽やかな印象の人で、他にも色んなタイプの方がいたので、こんな人たちが福祉やってるんだっていう良い意味で驚きがありました。
- 登山最初の印象は、僕よりかなり年上の方とかいらっしゃったんですけどエネルギッシュな方が多くて、遊ぶことにも精力的で自分も見習いたいなと思いました。
- 三野今、お二人は現在の仕事に就いてらっしゃいますけど、その後、福祉の進路にすすもうと思ったのはどのタイミングだったんですか?
- 小林自分は弟が障がい者ということもあって元々興味があって将来的に高校生の頃から福祉の仕事は考えてはいたんですけど、ボランティアに参加するようになってから、障がい者の方って若々しいし、裏表がないというか思ったことを素直に言ってくれるので、そういう意味で自分も面と向かって関わっていけるので障がい分野の道に進みたいと思ったのがきっかけでした。MMKのおかげですね。
- 登山僕は、MMKだけに限らず、大学時代で一番成長したと思ったのが、色んな人に関わって自分の考え方の幅が広がったというのがあって。最初は子どもの障害分野関係で働いてたんですけど、色んな考え方にふれることができるし、自分を見つめ直すこともできるので、障がい分野で働きたいというのがありましたね。
頼りにしてもらえることの喜び
- 三野これからMMKではボランティアさんを新たに募集する予定で、福祉に興味がある方が来られるかと思うのですが、そういう方々にメッセージなどはありますか?
- 小林とりあえず遊びに行くっていう感覚で来てもらったら一番いいんじゃないかなと。障がい者の方々や分野ってまだまだ偏見の目で見られることがとても多いんですけど、一度来てみたら「ああ、こういう感じなんやな」ってよく分かってもらえると思います。
- 登山no-deがやっている活動のMMKやこども食堂なんかもそうですが、遊びを通して障がい者の方たちの考え方に触れられるというのが良いところだとも思うし、僕たちスタッフやボランティアさんたちも「楽しもう!」っていう気持ちがないと同じ気持ちになれないというか。なので、来て一緒に楽しんでもらうということから始めてもらったら色々自然と見えてくるものがあるんじゃないかなって思います。
- 三野障がい者の方と関わってきた中で今までで一番嬉しかった出来事などありますか?
- 小林障がい分野に限らず、高齢者、児童福祉もそうかも知れませんが、no-deで働いてても思うのは、「自分のことを頼りにしてもらえる」ということですかね。 中学、高校と学生時代でも周りからあまり頼りにされたという経験がなかった気がするので、今この仕事をやってて利用者の方から「助かったよ」「ありがとう」などの言葉をいただけるととても嬉しくやりがいに繋がっていると思います。
- 登山僕も小林さんと同じで、周りの方に頼ってもらえて、その助けになれているというところが一番嬉しいことですね。MMKやこども食堂などでも自分が企画を考えたことで参加した人が楽しそうにしている姿を見るとやってよかったなと素直に思えますね。
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