incline
COLUMN
2021.04.28
子どもたちとinclineの二年間
「したい気持ちにさせる」ことを目標に
放課後等デイサービスinclineを開設して二年が経過しました。
子どもが子どもらしく過ごせる場所を創り、子どもたちの主体性を引き出しながら、「したい気持ちにさせる」ことを目標にしてきたincline。子どもも、スタッフも、画用紙いっぱいに思いきり絵を描くような全力の毎日を積み重ねてここまできました。
理念や活動への想いは沢山ありますが、デイサービスの主役は何と言っても子どもたちです。
準備したおもちゃも、子どもが気に入らなければ出番はなく、備品の配置も子どもの動きに合わせて何度も模様替えをしました。おやつや活動内容も毎月スタッフが頭を悩ませて決めています。子どもたちの好きなこと、苦手なことは知っても知っても尽きることはありません。
「散歩でいつも草を気にしているけど、特に好きな種類はあるのかな?」
「実はこのお菓子なら食べられるんや!」
「毛布にくるまると落ち着くんやね」
毎日新しい発見があります。
子どもたちの「できること」が増えていくのは嬉しいことですが、無理に取り組んで渋々身に付けた力は、本当の力ではないとも思います。それに、inclineの理念は「したい気持ちにさせる」なので、結果よりもその過程にある本人の気持ちの動きを大切にしたいと、スタッフは思っています。
色んなことができるようになって欲しい、でも、「できる」ことがすべてではない。
子どもにとって、何が一番よい関わりなのか、その瞬間ごとに葛藤をしながら一緒に時間を過ごしています。
自分の気持ちを上手く伝えられない子どもたち
inclineには、自分の気持ちを上手く伝えられない子どももいます。言葉以外の方法で、何とか自分の想いを伝えようとする子どもたち。中には物や人に当たってしまう子どももいますが、その一つ一つが子どもたちの「意志」だと思っています。
スチール製のパーテーションが外れたこと
壁に大きな穴があいたこと
時計が割れてしまったこと
物が壊れることはあまり誇れることではないかもしれませんが、inclineの中には子どもの沢山の気持ちが残っています。それを見るたびスタッフは、「あの時、一体何が伝えたかったのだろう」「どんな対応が良かったのだろう」と思い返し、いつも新しい気持ちで子どもと向き合うことができるのです。
今年、二年目の春。新一年生の子どもが何名か、新しくinclineに仲間入りしました。
去年は新しい仲間に落ち着かなかった、お兄さんお姉さんたちも、今年は落ち着いて後輩を迎えられる姿がありました。スタッフも新しい仲間を迎え、三年目のinclineがはじまります。