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2025.11.30
特集『no-deがボードゲームを作る理由(ワケ)』
「言葉にならないけれど、大切にしたい想いがある。」
この願いを形にするため、no-deは実に5年もの歳月を費やしました。
会社の理念を、単なる文字や歌で終わらせたくない。働くメンバー全員が、心から「ここにいていいんだ」と感じられる温かい空気感を、もっと深く、面白く共有できるツールはないか? 試行錯誤を繰り返す中で、ある日突然、代表・髙木の夜中に降ってきた「ひらめき」が、すべての答えとなりました。
それが、no-de初のオリジナルボードゲーム「YOSEGAKI」です。
なぜ、5年間も悩みに悩んだ先にボードゲームという形を選んだのか?
過去のアイデアが次々とボツになった中、このアイデアにはなぜ満場一致で「それだ!」となったのか?
今回は、その構想段階からゲーム開発を担ったデザイナーの橋口氏、そしてno-de共同代表の髙木、歌藤の3名で、このゲームに込めた熱い想いと、制作の裏側を赤裸々に語り合います。
開発中に見つけた「効果的なチーム」に関する興味深い研究結果とは? そして、そのキーワードをどのようにゲームシステムに落とし込み、「ここにいていいんだよ」という想いを形にしたのか?
5年越しの結晶が、no-deの文化をどう進化させていくのか。
3人の対談によるワクワクする誕生秘話をぜひご覧ください。
no-deっぽさを伝えるツールの難しさ

- 歌藤今回は、no-deのボードゲームを作ったというところで、その話を髙木さんと橋口さんとでしてみたいと思います。
まず、そもそもの話なんですけど、このボードゲームの構想って、多分5年か6年ぐらい前からありましたよね。その5年間悩みに悩んで完成したわけですが、そもそも、何をどうしたかったのか、その5年間悩んだ内容を教えてもらえますか。
- 髙木いや、記憶にある限り、本当にずっと、それこそ橋口さんが来てくださっていた頃から「no-deってなんだかふつうの会社とちょっと違うよね」とか「漂っているものってあるよね」みたいなことを、僕らも感じていたんです。年数を重ねていくうちに、「言葉にはならないけど、みんなのことを大事にしてるんだよ」っていうことを伝えたいな、とぼんやり考え始めたのがきっかけです。それが福利厚生なのか、給料なのか、何をするのか、というところから始まりましたね。
- 歌藤そうですね。理念として掲げているものみたいなのが、法人の中で雰囲気みたいにできてきていて。みんながいてくれることでできている、そういうちょっとあったかいもの、それが私たちが大切にしたいもの、みたいなことはなんとなくあった。でも、それを何かの形にするのがいいんじゃないか、って話になって。
- 橋口そうですね。最初は確か、冊子みたいなものを作って、入社する人に最初に渡して、no-deはこう思ってますよ、と知ってもらうのはどうか、みたいな話も出たんです。あとは、歌にするとか、ポスターにするとか。
- 歌藤ありましたね。
- 橋口でも、なんかそれって、no-deっぽくないな、って感じもありましたよね。冊子だと、多分作って1回見たら終わりになっちゃって、本当にその芯から髙木さんや歌藤さんの思いが伝わるかっていうと、ちょっと微妙な気がする、って話をしてた気がします。
- 歌藤そうですね。毎回そういう相談を橋口さんにしてましたよね。no-deの想いみたいなのを、うまく伝えられるツールがないかな、と。
- 橋口悩みましたねえ。壁に貼る、冊子を作って渡す、絵本を作るみたいな話もちょっと出たりして、そういうのは一見作ろうと思えば形にはできるんですけど、作った後のことを想像した時に、なんか正直ピンとこなかったんですよ。それが会社内に伝わっていく、蔓延していく、という最終目的を考えた時に、その目的が果たせないものになりそうな気がしていた。だから、僕は「違うと思ったら、いらないと思います」って正直に言った方がいいなと思っていました。
- 髙木あ、それはありがたかったですね。
- 歌藤その客観的な視点はすごくありがたかったし、僕らも「あ、これも違うな」ってちゃんと気づけたので、じゃあどうしよう、ってずっとうねうね考えていたんです。
『ここにいていいんだよ。』×『ボードゲーム』

- 歌藤その5年間で伝えたいこととして、橋口さんがセッションの中でつまんでくれた『ここにいていいんだよ』っていう言葉。これが、今でも最重要キーワードなんです。
- 髙木ええ、そうですね。僕らだけではできない、いろんな人と繋がって、その人たちを本当に大事にしたい、という思いがずっとあったんです。
- 橋口僕も過去の打ち合わせメモを見てたんですけど、確かに「仕事やけど仕事に行く感覚じゃない」みたいな話とかもしてましたね。めちゃくちゃ簡単に翻訳すると「うちは金儲けのためにやってるんじゃない。じゃあ何のためか?みんなが自分らしく生きれるためだよ」という。だから、人に対する見方を広げてほしい、という話もしてましたね。
- 歌藤そう。これ全てを総合して要約すると、つまるところ「大事にしてるっていうことを伝えたい」ってことなんですよね。そして、今年のお正月くらい、髙木さんにひらめきが起こったんですよね。何がひらめいたんでしょうか。
- 髙木本当に、半分寝てるような、半分起きてるような夜中に、なんとなくボードゲームをみんなでしているno-deみたいなイメージがワーっと浮かんできたんです。「これや!」と思って。ゲームを通じて、僕らが大切にしたいことが伝わるんじゃないか、伝えられるんじゃないかなと。慌てて携帯でメモしました。
- 橋口普段、僕と歌藤さんのほうがボードゲームでいっぱい遊んでるはずなのに、僕らより遊んでない髙木さんがそれを思いつくって、なんか面白いですよね(笑)。
- 歌藤まさに灯台下暗しですね(笑)。
- 橋口髙木さんから最初「no-deのボードゲームが作りたいです」と聞いた時、僕はどんなゲームかまだ全く想像はついてなかったんですけど、前の冊子とか社歌の時の話とは全然違くて「ボードゲーム」って聞いた時に、めっちゃ筋が全部通ってて光が差し込むような感覚があったんですよ。だから、「あ、それイイですね!」ってすぐなりましたね。
- 髙木5年越しに答えにたどり着いた。
- 歌藤本当に。5年かかる意味があったのかもしれないですね。
Googleの研究結果の記事がキッカケになって生まれたゲーム

- 歌藤それから、その日の打ち合わせの中である程度方向性も固まっていた気がするんですよ。
- 橋口そうですね。その時、「年に1回遊ぶ」とか「自分で考えるマインド系のボードゲームがいいかも」とか、「視野を広げて自分らしく」とか。
- 髙木僕は控えめに「人生ゲームみたいなやつ?」って言ってた気がする。
- 橋口控えめに言ってましたね(笑)。たしかその日、いつ誰が遊ぶのか(入社したら遊ぶ、見学や面接で遊ぶ、年に1回、繰り返し遊ぶ)みたいな確認をしたんです。で、僕はその日のうちに、こんなゲームになるかもな、という輪郭がなんとなく浮かんだ。最初は、現場のシチュエーションや状況をお題にして、それに対して自分がどうするかを順位付けして、みんながその順位通りにできたらいい、みたいな協力ゲームを考えていたんです。
- 歌藤なるほど。
- 橋口でも、途中で「これアカンわ」ってなったんですよ。
- 歌藤確か、「こう評価する形になるのはちょっと違うよ」みたいな話になった気がする。
- 橋口そう、それです。結局、答えを決めてしまうようなものじゃない方がいい、ってなったんですよね。こういう行動が正しい、と決めつけすぎると、no-deっぽさからすると違う、という部分があって。
そこから僕はゲーム内容についてかなり路頭に迷い始めるんですけど、ある日たまたまGoogleの「効果的なチーム」についての研究記事を見たんです。その記事には、誰がどのメンバーになっているかよりも、どう機能しているかが大事で、効果的なチームを作るうえでの大事な条件が5つほど載っていたんですが、中でも「心理的安全性」と「インパクト(自己効力感)」という2つの要素が今回のno-deボードゲームには必要な要素としてピッタリだと思いました。
「心理的安全性」は、リスクある行動を取った時でも、このチームなら信じてくれる、大丈夫だと思えるかどうか。そして「インパクト」は、自分がやっている仕事は意義があるんだ、と思えているかどうか。この2つが、僕らが目指している「ここにいてもいいんだよ」という言葉にめちゃくちゃ繋がるな、と思ったんですよ。
だから、この心理的安全性やインパクトをno-deボードゲームを遊んだら、より加速(ブースト)できるようなものにした方がいいんじゃないか、って思ったんです。このゲームを遊ぶことで、それらが自分の中でアップデートされて、最終的に会社からみんなへの「ここにいていいんだよ」ということにも繋がる。
- 歌藤なるほど。
- 橋口そこから、「褒める」「感謝を伝える」という要素をメインにしたシステムにしようと思いついて、それを分かりやすくキャッチーなものにするためにみんなが知ってる「寄せ書き」というテーマにしよう!というのが今回のゲームの方向性が出来た最初のキッカケでした。
- 歌藤そうですね。そのGoogleの話が出た後、寄せ書きというテーマが橋口さんに提案されたのが、たしか4月18日の時の打ち合わせでした。
- 髙木そのコンセプトを聞いた時、良い意味で意外でしたね。
社内テストプレイとお題出し

- 歌藤その後、寄せ書きというテーマが今のno-deの空気感に合うなと思って、今のルールが出来上がり、社内で他の人たちには内緒で何人かだけに協力してもらってテストプレイをやりました。最初のテストプレイをやってみてどうでしたか?
- 橋口1回目から結構手応えはありました。元々狙おうと思ってた感じになっているかもな、と思って安心しましたね。
- 歌藤テストプレイ、面白かったですよね。ああいう形のゲームをやったこともなかったし、ルールや目的が新鮮で。
- 髙木「寄せ書きがいっぱい集まるけど、これ本当に自分のこと言ってもらってるの!?この中にほんまに自分いる??」って、すごく思って(笑)。
- 歌藤(笑)。その後、ゲームのお題を決めるのが大変でしたね。お題を精査する内に、このゲームは新人さんだと遊べない、ということも分かってきて、新しく入る人ではなく、普段働いている人同士でやるものにしよう、と決めたんです。
- 橋口お題はめちゃくちゃ出しましたね。大量に出して、髙木さんと歌藤さんに絞ってもらい、また僕が具現化して絞る、という作業をひたすらしました。真面目な回答用のお題と、ちょっと変わり種な回答用のお題、この2つのカテゴリーを裏表で作れたのが良かった気がします。
- 歌藤そうですね。それもなんとなくno-deらしいなと思います。真面目なだけでなく、ちょっとふざけたようなお題があっても、結局そこで書くことはその人のことを書くので、バランスとして良かった。
- 髙木お題出しの作業をしてた時期はめちゃくちゃ忙しかった記憶があります。お題作りは大変だったけど、橋口さんが「なんでこのお題がボツになるか」をちゃんと説明してくれたことで、「こういう方向性のゲーム」という意味が改めて当時自分の中で固められた気がします。
- 橋口そうですね。誰かを特定できてしまうお題だったらゲームにならない、といった感じで、何回も修正をしていきました。
いよいよボードゲームが完成!

- 歌藤そうですね。そして、無事完成しました。手元に届いた時どうでしたか。
- 髙木なんか「カッコいい感じで仕上がってきてほしいな」と思っていたけど、実際見た時に、本当にこれは何年も何十年も使えそうだと感じて、すごく嬉しかったですね。
- 橋口これを市販のボードゲームとして流通させても世の中のあらゆるチーム作りに通用するんじゃないか、って話もしましたね。
- 髙木そう、それがすごく良かった。これって他の組織やいろんなところでも全然通用する仕組みやなと思って。家族でやろうかな、とも思いました。
- 歌藤結局、ゲームのいいところって、ゲームっていう体裁をしてるっていうのを言い訳にして、普段やる機会のない寄せ書きを送るという機会をもらえるところだと思うんです。ある意味、会社でそういう理念を軸に置いてるっていうところが、やっぱno-deの面白いところでいいところなんやろうな、という気がしますね。
そして先週、実際にやってみました。どうでしたか。

- 髙木一言で、やってよかったなと本当に思いました。みんな楽しそうだったんですよ。楽しんでもらえるツールがある、ということがまず一番大事だったかも、と思って。楽しんでもらいながら、何か伝わるものがあればすごく嬉しいです。
- 橋口このゲームは、1回で終わるのではなく、繰り返し、1年に1回とか2回とか、寄せ書きすることが何年も積み重なっていって、アーカイブとして残っていくところに一番意味を持たせています。


- 歌藤そうですね。スタッフ一人ひとりの名前を書いた封筒に、自分の寄せ書きを入れて保管してもらって、それを今回やりました。本当にタイムカプセルを埋めた1年目くらいの感じなので、これが積み重なっていったら、ゲームとしても深みが出ていくのかなって思います。
それでは髙木さん、最後に何か一言いただけますか?
- 髙木橋口さんが作るものやデザインって、出してしばらく経った後に真価を発揮していくイメージがすごくあって。今回も、思いもよらないような効果が3年後、5年後に絶対出てくるんだろうな、と思ってワクワクしています。no-deで楽しいと思うところは、本当に僕たちがスタートからゴールに一直線に向かってるわけじゃなくって、no-deにある空気とかをみんなで共有しながらぐにゃぐにゃ〜っと行って、なんか知らんけど結果素敵なとこにたどり着いたな、みたいなことが起こる会社だなって思います。
- 歌藤橋口さんは今回no-deのボードゲームを作ってみていかがでしたか?
- 橋口僕は、自分のデザインの仕事っていう意味でも、本当にすごくいい機会をいただけたなと思います。no-deのボードゲームを作ってるなんて、数年前に最初関わり始めた時には想像もしてなかったから、そういう意味で、僕も逆にワクワクさせてもらってるなっていう感じですね。
- 歌藤みなさん本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。




