SPECIAL
INTERVIEW
2021.06.30
no-deの現在点〜no-de代表ゆるふわ鼎談〜
no-deの起業から3年─。 共同創業者である髙木氏と歌藤氏が社員と共に歩んできたこの3年間を振り返りつつ、現在のno-deの在り方や働き方、スタッフのこと、お互いについてなど、お二人にざっくばらんにゆる〜く語っていただきました。
インタビュアー:デザイナー橋口(un&co.)
3年経って分かってきたこと
─これまでも特集記事で対談などはありましたが、お二人だけというのがなかったので、今回no-deを起業して3年経ったので振り返りも含めて、今現在のお気持ちなど色々お聞きしたいなと思いまして。いきなりざっくりした質問で何なんですが、最近どうですか?
- 歌藤ここのところ、no-de内でも職員が増えて色々環境的な変化があったり、多忙だったりで、こないだまで色々とストレス溜まりがちだったんですが、もう今は開き直ってますね(笑)。
- 髙木僕はno-deに本腰据えて、業務に関わり始めたのもまだ数ヶ月なんですけど、ようやく最近no-de内での自分の役割が徐々に見えてきたというか、光明が見えてきた感じがありますね。 ただ、最近は人手が足りないところにカバーで入ったりして、代表としての動きが出来てないので、細かい業務に追われてバタバタしてます。
- 歌藤ここ最近、感じてるのは色んな意味で「距離感」ってやっぱり重要だなと思っていて。 今現在はno-deもオフィスがここしかないので、どうしても僕も髙木さんも距離が近い分、目の前の業務に追われてしまったりだとか、距離を測るのが難しい。だから、物理的にも距離感の重要性を最近感じてて、まったく別の場所に新たに事業所つくったりするのもそういう意味では有効かなと思って、最近そんなこと考えてます。
─お二人はもう付き合いがそれなりに長いと思いますが、お互いの性格についてはどう分析していますか?
- 髙木歌藤さんは、一見勢いもあって、ざっくばらんな感じの印象に見えるかもしれないけど、意外とその中身は繊細で、誰よりも気が細かいし、小さなことも拾ってくれてる気がします。 その一方で僕は、きっちりしてるように見えて実は大雑把なんですよね(笑)。
- 歌藤でも、髙木さんはその分、アドリブ力が高いというか、その場その場での発想だったり、機転のきかせ方がとても長けてるように思います。感覚の運動神経が良いというか。
仕事で“遊んで”ほしい
─私から見ていても、no-deの職場の空気だったり、お二人の仕事に対するスタンスが結構独特だなと思ってるんですが、お二人にとって、仕事とは?みたいな仕事観ってどういったものなのでしょう? それがひいてはいわゆる「no-deらしさ」にも繋がっているような気がして。
- 髙木僕は仕事であっても、やっぱり「自分らしさ」が一番大事なんじゃないかなって思ってます。一度、社内でワークショップをやった時に、あるスタッフの個性でもあり弱点でもある「その人らしさ」の話になったことがあって。 僕は、過去の職場であったり一般的な社会人としてのイメージで、前まではその人の「出来ていない」ところを直すべきと思っていた節があったけど、他のスタッフ曰く、そのスタッフのらしさを直してしまうと「○○ぽくない!」って言ってるのを聞いて、たしかに、その人のウィークポイントを消すんじゃなくて、no-deでは他の良いところを伸ばせばいいじゃないかという考え方になりましたね。 その方がno-deっぽいやんって思います。
- 歌藤僕は仕事は「嫌だな」って思いながらするのは仕事じゃないと思っていて。 たとえば、no-deで働いてる人が「no-deに仕事行くの嫌だな」って思ったのなら、「じゃあ、仕事はno-deじゃなくて別のところでも良いんじゃない?」って素直に思います。 やっぱり仕事は楽しむべきで、特に今のno-deの業態である福祉分野では自由な部分も多いから、どんどんやり方次第で自分で自分を楽しくしていくこともできる。いかに「自分ごと化」できるかが大事なんじゃないかなって。no-deではそれをスタッフにも実現してほしいから、仕組みとして人を縛り付けないをベースにしています。
─それがno-de独特のゆるさにも繋がってるわけですね。
- 髙木そうですね。ただ、その「ゆるさ」を言葉の上辺だけじゃなくて重みとして、どう捉えられるかは人によるでしょうね。分からない人にはなかなか分からない部分かもしれないし。 だから、no-deのスタッフにも、時間のためじゃなくて、あくまでも自分の役割を果たすために、発揮するために仕事をする、というスタンスでいてほしいと思いますね。 スタッフみんなが自分の持ち味だったり、役割を果たして発揮している、そういう職場にしたいと常々思っています。
- 歌藤もっとみんな「仕事」で遊べば良いのになぁって。「会社」で遊ぶというか。no-deライフでももっともっと遊べば良いのにと思ってます。特にライフの業態としては自分がある程度やりたいように自由にできるんだから、自分も楽しくなるようにもっともっと仕事で遊べば良い。 仕事で「遊ぶ」ことが出来たら、自分も楽しいし、自分が楽しんでないと相手も楽しくないはず。
他とは違うno-deらしさ
─今、お二人から見ていてスタッフの方の働き方や利用者の方に対する接し方などはどう見えていますか?
- 髙木僕は普段から思っているのは、no-deのスタッフは他の事業所さんとは全然違うんじゃないかって思っていて。
─それはどういった意味で?
- 髙木例えるなら、他の事業所はもっとシャープで率先してパキパキして動いているイメージ。 一方、no-deのスタッフはゆるふわ(笑)で、こちらから利用者の方にも「求めない」し、気長に待ってるイメージ。切っ先が丸いというか。 例えば、馬を水飲み場に連れて行っても馬が飲みたくなかったら飲まないっていう話あるじゃないですか?あれみたいな感じで、基本が「待つ」。 たぶんこれってno-deの理念でもある「伴走する」っていうのもあるのかもしれないけど、そこがとってもno-deっぽいし、不思議とスタッフ全員そんな感じなんですよね。放課後デイサービス事業のinclineもこの春からスタッフが新しくなって、また色々と再構築している途中ですけど、今はちょうどその真ん中ぐらいの雰囲気で。みんなでどこが適所かを探りながら空気感を作っていってる最中ですね。
no-deという場所は交差点
─たしかにno-deのスタッフさんはみんなおっとりしてる方が多いようなイメージですね(笑)。 ただ仕事となると転職や環境の変化などで、スタッフの方が辞めてしまうようなこともつきまといますが、やはりスタッフが離れてしまう時は辛いものですか?
- 歌藤もちろん寂しさはあるけど、ココは「交差点(※no-deのテーマでもある)」だと思ってるから、仕方ないことだと思うし、この交差点を経て次の場所に行ったんだなあという感覚ですね。また、どこかで同じ交差点で出会うこともあるかもしれないし。
- 髙木no-deを辞めた人にも「福祉の良さ」は感じてもらえたんじゃないかとは思ってるんですよね。みなさん利用者さんのことはとても好きでいて下さいましたし。ただ、やっぱり仕事である以上、難しい部分もあったのかな。。 利用者さんだけではなくて色んな人との人間関係も仕事上ありますしね。。
─たしかに、仕事において人間関係構築の難しさは意外と実は一番重要なのではと私も思いますが、そのあたりどうお考えですか?
- 歌藤仕事をする以上、人間関係はどこで仕事をしても必ずつきまとうものですが、その人間関係を良い状態に保つためには互いの「合理的配慮」が大切だと僕は考えています。 やはりこの社会の中で生きていく上で、他人と関わるのは必須な中で、立場や感情に囚われてしまうと人間関係の難しさにハマってしまうと思うんですよね。だからこそ、状況や立場に合わせた「合理的配慮」を自分の中で意識として持つというのが重要だと思っています。
- 髙木あと、先日inclineのスタッフ間のワークショップで、人生グラフをみんなでつくるというのをやったんですよ。そうすると、普段の会話では知れなかったスタッフの過去のことやそれにまつわるあれこれを知ることで、新たにその人に対する見方が変化したりする。 人間関係においてはそういう部分も大事だなと思ってますね。
─本日はお時間いただきありがとうございました。
- 歌藤ありがとうございました。
- 髙木ありがとうございました。