
SPECIAL
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2026.08.31
特集『私たちも親なんです。』
no-deが運営する各事業所(アトリエ ヲト、RECO、ライフ、インクライン、ビバークなど)で日々子どもたちや保護者の方と向き合うメンバーたち。実は、プライベートではそれぞれ悩み、葛藤するひとりの「親」でもあります。
今回は、代表の髙木、職員の山中、藤本の3人が、親としてのリアルな本音や、仕事と子育てのつながりについてざっくばらんに語り合いました。
(インタビュアー:橋口)

(※左から髙木/山中/藤本)
─ 本日はno-deで働くお子さまを持つ親の方たちに皆さん集まっていただいたんですけど、髙木さん、今回集まった理由は何でしょうか?
- 髙木いや、夏休みももう終わりますね。仕事でも放課後(放課後等デイサービス)でたくさんのお子さんと関わるんですけど、家に帰っても、子どもがずっと家にいるという環境で。朝はきっとみんなお弁当持たせて、学童に預けて出勤して……みたいな感じでやってると思うんですけど。長い時間子どもといると、やっぱり色んなことが起こるじゃないですか。怪我したり病気したり。 「こんなに苦労してるのって自分だけなん?」っていうことがちょっとありまして(笑)。同じ親のメンバーに集まってもらって、ざっくばらんに話したいなと思ったのがきっかけです。

子どものトラブルどうしてる?
─ まずはいきなりなんですけど、子どもが大きな怪我をしたり、大変な病気をした思い出とか、怪我にまつわるエピソードって何かありますか?
- 髙木僕のところで言うと、去年、子どもがめちゃくちゃ怪我したんですよ。もう、次々、次々に(笑)。頭を切って縫うわ、顎を割って縫うわ、挙句の果てに骨折するわ。ずっと怪我ばかりで、そのたびに病院に行くから、診察券がどんどん増えていって。1回行ったら「次はここ?」みたいな(笑)。いやもう、これ何か呪われてるんちゃうかなと思うくらいで。皆さんのところはどうですか?
- 山中怪我は、うちは最近はないんですけど、2年前ぐらいかな。放課後それこそ放課後等デイサービスで足の甲の骨を折ったことがあって。まあまあな折れ方やったんです。でも、その日に事故があったにもかかわらず、何にも連絡がないまま、夕方に普通に帰ってきたんですよ(笑)。「えっ?」ってなってお医者さん行ったら、やっぱり折れてて。もう夕方遅かったから、結局、一晩は骨折したまま過ごさせることになってしまって……。あれは本当に申し訳なかったし、大変でしたね。今は上が大学生、下が高校生になったので、もう怪我はほとんどないですけど。

- 藤本うちは幸い、そこまで大きい怪我はないんですよ。保育園の頃に友達と遊んでて滑り台から落ちてすりむいたとか、そんな軽微なものばかりで。親同士や先生と「どっちが悪い」みたいなやり取りもなくて、そこは幸いやなと思ってたんですけど。 1回だけ、長女が保育園の時に、友達と遊んでて顔にギャーッと爪で傷がついたことがあって。やっぱり女の子やし、顔に傷が残ったら……っていうのは、親としてはめちゃくちゃ気になりましたね。

- 髙木そうそう、女の子やと「残ったら困るな」って心配になりますよね。うちも一番上が女の子で、保育園の時とかにこけたりすると「女の子やからお願いします」って先生にめっちゃ言いに行ってた気がします(笑)。でも、今は男の子(下の子)になると、「すいません、うちの子が誰かに怪我させてませんでしょうか」って、そっちばっかり心配になって(笑)。男の子になるとやり取りも大雑把になりますね。
- 山中同じ感じです(笑)。小さいうちはあれこれ心配しますけど、年数を重ねてくると、お互いに「まあ大丈夫か」って気にしなくなりますよね。
- 藤本うちは、長男が小学校3年生の時に、扁桃腺を取る手術をして入院したんですよ。学校を1ヶ月ぐらい休んでずっと家にいたので、その時の対応が難しかったです。何より学習が全部遅れてしまって。学校からプリントだけもらうんですけど、先生とのやり取りが難しくて。「入院してるんやから(遅れても)仕方ないですね」と言われればそれまでなんですけど、こっちとしては「まあ、そうなんですけどね……」と。
退院した後の数ヶ月、休み時間に一人で補習を受けたり、放課後に残って個別でやらされたりして。本人的には「これから学童行って遊ぶはずやのに、なんで勉強せなあかんの?」って、めちゃくちゃしんどかったみたいです。うちの小学校はまだオンライン授業の体制が整っていなくて、「すいません、対応できないです」って言われて。あの時は「もうちょっと学校側でもうまいことできへんのかな」と思って、色々先生と喋った記憶があります。

- 髙木病気でいうと、旅行の予定を立てた瞬間に子どもが熱出す、とかよくありますよね(笑)。
- 藤本あるある!(笑)こっちの立てた予定が全部崩れちゃう。うちは小さい頃、そんなのばっかりで本当に全然旅行に行けなかったです。最近になってようやく、お互いの実家以外の場所に宿を取って、泊まりで出かけられるようになりました。
- 山中それまではやっぱり、心配で行けなかったんですか?
- 藤本そうなんです。やっぱり小さいと、親と一緒に寝るのがベースになるじゃないですか。
うちは子どもが4人いるんですけど、4人もいると本当に宿が取れないんですよ。ホテルとかで「小さいお子さんは布団別料金です」とか言われたりしてね。
- 髙木だから、家族行事を組むにしても、めちゃくちゃ細かく見るようになります。「キャンセル規定」のページとかね。1ヶ月前にキャンセルしてもキャンセル料が取られないかどうか、本当に真剣に読み込みますから(笑)。
- 藤本めっちゃ見ますよね(笑)。「お子様料理」があるかどうかとか。

- 髙木山中さんのお子さんはもう大きいですけど、子育てのしんどさのトンネルを抜けた時期とかはあったんですか?
- 山中うちの子は高校生になってから、かなり自立が進んで自分の時間の管理(ルーティン)ができるようになりました。もともと自閉傾向があって、ルーティンへのこだわりが強い子やったんです。だから小さい頃から「この時間はこれをやる」というマス目(スケジュール)を作って、そこにちっちゃい頃から埋める練習をして。 昔はそのパズルのパーツが一つでも崩れたらパニックになってはめ替えるのが大変やったんですけど、今は「こっちを優先して、これは後」って、自分でパズルを組み立てるようにスケジュールをはめ替えられるようになりました。ただ、上の子の方がどっちかというと心配で……。究極のスーパーマイペース、かつめんどくさがり屋なんですよ。
- 藤本上の子、今おいくつなんですか?
- 山中今は大学3年生なんですけど。高校受験の時にストレスで過敏性大腸炎で調子を崩して、それが終わったら治るかと思いきや、未だに続くんです。それやのに、もうすぐ社会に出なあかんのに、基本の生活を整えようという概念がなくて。夏休みは、朝方までゲームして、昼過ぎに起きて……という生活。携帯やゲームばかりで、親の言うことも聞く年ではないから、本当に悩んでます。それでもいまでは自分なりに考えて、朝、調子が悪いときは「1~2本前の電車に乗るために何時に起きる」という工夫をしてはいるようですが……
- 髙木でも、小児科に行くような、急な発熱とかインフルエンザみたいなのは、年齢が上がると減ってきますよね?
- 山中そうですね。下の子が中学生になる頃からは、小児科に行く回数がぐっと減って、イレギュラーで病院に駆け込むことはほぼなくなりました。だから、そのあたりのしんどさは、あと10年くらいで抜けると思いますよ。
- 藤本10年かぁ・・・。あっという間ですかね?
- 山中あっという間です(笑)。中高生になれば、風邪くらいなら1人で歩いて病院に行けるようになりますし、歯医者や眼科も自分で行くようになるので。本当にそこまでの辛抱ですね。
子どもの勉強や宿題への取り組みどうしてる?

- 髙木「勉強や宿題」というテーマも、親としてはずっとついて回ると思うんですけど、山中さんはお子さんに対してどうされていましたか?
- 山中私は、例えば夏休みの宿題で言うと、最初は「スタートダッシュをかけなきゃ!」って親の方が焦ってやらせるんですけど、だんだん親の方も中だるみしてきて、今くらいの時期(8月下旬)になると「もうどうでもええわ」って本人に任せちゃってました(笑)。そうすると、20日過ぎになって慌てて「過去の天気」をネットで調べ出すっていうね(笑)。
- 藤本過去の天気(笑)。新聞とかネットでね。
- 山中そうそう。自由研究も「どうやって今から重ねるの?」みたいな感じで。最後はフルマラソンの残り3キロを一緒に全力走るみたいに、残り3日でなんとか仕上げていたのが思い出ですね。今、お二人はお子さんの年齢的にも真っ盛りですよね。大変ですよね。
- 藤本うちは計画的にやるのが好きなタイプなので、確認しながら進めてます。今年の自由研究は、長男が「姫路城の構造を調べたい」と言うので、僕も一緒に中を回って動画を撮り、1本の動画にまとめたり、100均のジェルキャンドルを一緒に作って調べたり。でも、そんなふうに見守れるのはいいんですけど、普通の、平常時の勉強が課題で。 今、長女が小学校2年生なんですけど、同級生の女の子から「私、宿題せえへんから、〇〇ちゃんも宿題したらあかんで」って言われたらしくて。
それで、4月から7月に入るくらいまで、宿題を家で「やった」と言いながら、学校には1枚も出してなかったんですよ。やってない宿題もあって。僕ら親も全然知らなくて、途中で気づいて「待ってくれ、なんでやねん!」ってパニックになりました。
- 山中それは驚きですね……。

- 藤本本人の気持ちを聞いたら、「お友達との約束を守りたかった。その子を傷つけたくなかった」って言うんです。でも、状況が状況やから学校の先生に言ったら、先生から「いや、それはダメです。お家でこれまでの未提出分、全部やらせてください」と言われて。数ヶ月分の宿題を、家で全部やることになりました。
- 山中ええ……!?
- 藤本本人の「友達を傷つけたくない」という気持ちをもう少し汲んで対応してほしかったなと思ったり。先生がお友達に確認してくれたんですけど、その子は「そんなこと言ってない」って言うて、結局うやむやになってしまって。日常の宿題をどうやって習慣化して、気持ちを汲みながらやらせるかは、今も課題ですね。
- 髙木山中さんに聞いてみたいんですけど、「早くやりなさい」って言ってるのに本人は「やらない」っていうのって普通ですか?
- 山中普通に「やらない」ですよね(笑)。やるって言っても、言い訳は「今やろうと思ってたのに、お母さんに言われたからやる気なくなった」って、人のせいにしてくる。数日見守ってもやっぱりやらないから、もう言うのを諦めました。
- 藤本そういう意味では、うちは学習習慣みたいなものはついてる方かもしれません。1番下の子以外はタブレット学習を使っているんですけど、休日の朝も、起きてご飯食べて着替えたら、まずタブレットで勉強しはるんですよ。「今のうちにやっとこう」って。午前中に終わらせたらYouTubeが見られるから、その後の時間をどう楽しく過ごすか。最近は午前中にみんなで絵の具で絵を塗ったり、買い物に行ったりしています。
- 山中朝起きる時間が一定で、みんなで朝ごはんを食べる、という生活リズム自体が整ってるんですね。
- 藤本そうですね。僕も大体その時間に同じテーブルで仕事っぽいことをするんですよ。それを見てるのもあるんかもしれません。

- 山中なるほど。親が携帯いじりながら「勉強しいや」なんて言えないですもんね。見本があるから、子どもも自然とやるんですね。
- 髙木放課後(放課後デイ)でも「宿題はしよう、習慣化しようね」って子どもたちに言うてますけど、やっぱり自分の家となると、我が子にはめちゃくちゃ手こずります(笑)。仕事やと余裕を持って言えるのに。 でも、一番上の子が中学生になってわかったんですけど、親が勉強を教えてあげられる期間って、めちゃくちゃ短いんですよ。中学2年、3年になると、もう数学とか「わからん、教えて」って言われても、こっちがわからない(笑)。
- 藤本わからないですね、本当に(笑)。
- 髙木だから、教えられる今のうちに、家で一緒に学習する習慣を作ってあげなあかんなと思います。仕事で疲れて帰ってきて、休みの日にそこまで付き合うのはなかなかできないんですけどね……。頭では分かってるけど、難しいなと思います。
家庭と職場での子どもへの接し方の違い

─ 自分の子どもと、職場で出会うお子さんたちへの接し方には何か違いがありますか?
- 藤本僕は普段は相談員の立場なので、直接現場の支援にはいないんですけど、家では子どもに包丁を握らせて料理をさせるんですよ。でも、もし自分が放課後デイの現場にいたとしたら、簡単には包丁を握らせられないなと思う。家やったら「これも経験やから、危ない切り方だけは教えて、あとはやってみよう」って大胆にやらせられるけど。 これを相談員の目線で見たときに、「もしデイサービスで、子どもが勝手に包丁を握って料理してるのを見たら、ヒヤッとして怖いって思うやろうな」と(笑)。家族やからこそ、怪我しても自己責任やし、大胆にやらせられる違いはありますね。
- 髙木僕の場合は、もう「導火線の長さ」が完全に違います。仕事で関わるお子さんたちに対しては、僕の導火線(許容範囲・心の余裕)ってめちゃくちゃ長いんですよ。だから、多少のことがあっても「一緒に考えよう」って付き合える。でも、家やと生活の流れがあるので、子どもに付き合える時間が限られていて、結果として導火線が短くなってしまう(笑)。
- 藤本家ではその導火線を伸ばすのって難しいですか?
- 髙木やっぱり、自分がたっぷり寝れて、たっぷり自分の時間があって、と自分自身にも余裕があると、少しは導火線が長くなるかなとは思いますが、結局は生活の中で子どもと向き合い続けるわけですから、難しいなと思います。「もう、前にも同じこと言ったやろ!」ってなっちゃうことも日々あります。
- 藤本ほんまですか? 僕は結構、どっちも長い方かもしれません。とりあえず「本人がどう思ってるか」を優先して、やってみようって見守る。親の充実度(心の余裕)が直接、子どもに影響するのは確かにそうですね。
- 髙木みなさんそうだと思うんですが、「他人に迷惑をかけるかもしれない場面」になると、すぐ注意しないと、って思ってしまいます。スーパーで周りを見ずに歩いたり、買わない商品をべたべた触っているとすぐ注意する。「人に迷惑をかけることだけはあかん」って。でも、職場だと、もちろん人に迷惑をかけるようなことはすぐに止めますが、「子どもやし、楽しいから仕方ないかな」って思える部分もあったり。

─ 髙木さん本人的には、家庭と職場の自分でいうと、教育における気持ちの入り方って、やはり違うものですか?
- 髙木やっぱり、親が「人に迷惑をかけたらあかんよ」って教えるのは、当たり前の教育であり、親の役割で責任やと思うんです。だから、家ですぐに注意する対応は、それでいいとは思います。仕事においては、少し余裕をもって見守れるというか、その子のいまの気持ちや課題感などを「第三者」として見られる気がしています。
─ では、職場の子供たちには、どのようなことを教育として伝えたいと思っていますか?
- 髙木「何でそうなるか」を別の角度から理解しようとするのが仕事だと思っているからですかね。もちろん職場でも「そこいたらぶつかるよ」とか「商品だから触ったらあかんよ」とは言いますけど、それとは別の、それこそ生活が背景にある親子関係では見られない角度から、何かを見つけてあげたい、という想いがあります。
「SOSを気軽に言える関係」こそが福祉、親子の一番の土台

─ なるほど。無意識のうちに「親としての仕事」と「職員としての役割」を使い分けているのかもしれんね。お二人も同じですか?
- 山中私は、うちの子にも障害があるから、職場の子とも同じように思って接しています。障害のある子って、学校や色んな場所で、ものすごく頑張ってるんですよ。何が起こっているか本当は理解できていないのに、周りに合わせて「分かっているふり」をすることがめちゃくちゃ多くて。
- 藤本あ、分かります。
- 山中それって、めちゃくちゃしんどいし、かわいそうやなって思うんです。自分の子も「わかってる」って言うからやらせたのに、できなかった時に「なんでわかってるって言ったのにできへんの?」って学校の先生に責められたりして。分からないことも、本人にとっては「何が分からないかも分からない」状態なんです。 だから、私は放課後デイでも家でも、「分からない」「助けて」って気軽に言える環境になってほしくて。職場でも家庭でも、「わたしもわからへん!教えて」と率先して言うようにしています。そんな姿を見せていけば本人からも発信するようになるかなぁと。なので、分からないこと、助けを求めることは、決して恥ずかしいことじゃないんやで、というのを一番知ってほしいと思って接していて、そこは職場との差はないのかもしれません。

- 藤本僕の場合、仕事と家庭での子どもとの関わりの違いにあるのは「子どもの理解度」かなって思うんです。仕事で出会うお子さんは何かしら一定の障害を持つお子さんは多いんですけど、でも、仕事でも家庭でも目の前にいるその子自身の「成長」とか「感じ方」っていう意味では同じだと思うんですね。そこで関わり方が変わる理由って、配慮とか、この子に合った声掛けのタイミングっていつだろう?っていうところで、本来家の子だったら「今ここで言う」というタイミングだったとしても、職場だったら「コレが終わってから振り返って言おう」とかって違いがある。自分も髙木さんと同じでスーパーで周りを見ずに歩いていたら「ちょっと待て待て」って言って止めるかもしれないけど、仕事での場合だったら「もしかしたらこの子には何かそうしたい理由があったのかも」とか、仕事だからこそより丁寧にならないといけないし、そういう視点がさっきの高木さんの導火線の話に繋がるんじゃないかと思って聞いてましたね。
- 髙木それです(笑)。
- 山中私もそれです(笑)。
─ たしかに、子どもの視点から見ても「親」と 「(他人の)おとな」って全然違うし別物ですもんね。だから高木さんのさっきの話は「子どもが見ている“親”にしか出来ない事がある」という話でもあるということですね。
- 髙木そうですね。さっき山中さんが言ってた「SOSを出せる力」は、本当に福祉の仕事の根幹として「その力をつけてほしい」と思って関わってるなと思って。それがないと、その上にどんなマナーやルールや学習を伝えようとしても、子どもが自分の気持ちを言えずに殻に閉じこもってしまったら、何も伝わらなくなってしまう。人を信用して「助けて」と言える土台、「人を信用できるチカラ」があった上で色々成り立ってますよね。
- 山中「〇〇したらアカンやん。常識で考えたら分かるやん。」って言われてもそれが実は分からない子が多くて、さらにその上に色々言われる……。土台がないからその言葉はスベってばっかりで届かないんです。
この先将来「この年なら、これくらいの常識は分かってて当然」という世界で生きていかなくちゃいけない。だからこそ、相談員さんや放課後デイの面談でも「SOS(助けて、わからない、教えて)と言える環境と関係を、まず作ってください」と、全員にお願いしています。支援する側も「この子、本当は分かってないのかも」という目で、温かく見守ってくれたら嬉しいなと思います。

─ それでは最後に。今日こうやって3人で話してみて、いかがでしたか?
- 藤本お題を聞いて自分の子どもとの日々を振り返ったんですけど、僕たち相談員は、日々ご家族と喋る機会が回数として多いんですね。今回のように、立場によって「正しい」が全然違うという前提に立って、「じゃあこの子には今、安心が必要なのか、リズムを整えることが必要なのか」を、ご家族とお互いに共有しながら支援を作っていくことが大事なんだ、と改めて気づかされました。すごく良い時間でした。
- 山中久しぶりに自分の子の小さい頃のことを思い出して、お二人の話を聞いて、私、最近子どもたちの手が離れて「本人の裁量に任せてる」なんて綺麗事を言ってましたけど、実はただ「ほったらかしにしてただけちゃうか」と反省しました(笑)。娘が最近デイサービスに毎日行くから、様子を話してくれても「はいはい」と聞き流して、深く話を聞けていなかったなと。この夏休み、残り少ないですけど、もう一度子どもとちゃんと向き合ってみたいと思います。
- 髙木仕事で関わるお子さんは、生活から切り離した一部の時間で、仕事が終われば距離を取ることができます。でも、自分の子どもとは生活の中で常に一緒にいる。そのしんどさはすごくあるので、言うなら「逃げられない子育て」って感じですが、これは悲観的な意味ではなく、すごい責任と同じくらいの楽しみがあるなと、お二人と喋って改めて思いました。山中さんのように、僕もあと何年かしたら自分の時間を持てるようになる先輩の姿に希望をもらいつつ(笑)、この「逃げられへん」責任を、なるべく楽しみながら、次の世代の親御さんたちにもその経験を伝えていきたいですね。




