SPECIAL
TALK
2020.07.20
『キクカワさんとふりかえる。』
SHIPS所長キクカワさんとno-de代表2人による対談
no-de誕生のキッカケにもなったSHIPS所長キクカワさんと代表2人の出会い。
3人の出会いから、no-de設立当時のことをキクカワさんと一緒にふりかえってみました。
【キクカワさんプロフィール】
多文化共生支援センターSHIPS所長。外国人の就学支援事業や子ども食堂の運営など、地域に根ざした活動を行っている。これまでに料理人や草津市議会議員など様々な経歴を持つ。
最初の出会いは一本の電話から
- カトウはじまりはキクカワさんから私の以前いた職場にお電話いただいたのが最初の出会いでしたよね。
- キクカワそうです。当時、私が文科省の事業で日本在住の海外出身者の子たちを高校へつなぐお仕事をしていて、その内のひとりMさんが障がいを持っていたので、見てもらえるところを探していたところ、知り合いづてにそちらをご紹介いただいたんですよ。
- タカギそうでしたね。で、それから大体1年ぐらい経ってからですかね。
- キクカワ2017年度だったかな?行政の委託事業をやってましたが、私も70歳になって、ココ(※現在no-deがある建物)の館長ももう70を越えてましたから、そろそろ終えようかという話になったんです。
ただ、この建物自体は残りますし、大きな建物でしたからせっかくなので誰かに有効活用してほしいと思って、周りの方たちに聞いて回ったんですよね。保育関係や、介護関係の方にも聞いたけど、なかなかマッチしなくて、そこで障がい者向け事業の方はどうだろうという話になりました。
- カトウそこで、僕たちにお声がけいただいたわけですが、よくたどり着いていただけたな、と(笑)。
- キクカワ館長も、地域に喜んでいただける社会的な施設だったら言うことないな、という思いは持っていましたからね。
信頼できるキクカワさんからの提案
- カトウタカギさんが最初にキクカワさんからその相談を受けたと思うんですけど、その時はどんなやり取りだったんですか?
- タカギさっきキクカワさんが仰ってたように、この建物が空くから事業の施設としてどうかな、というまだふんわりした相談だったかな。
- カトウその話をいただいた時に、すぐ決めたんですか?これだ!みたいな?
- タカギいや、その話をいただいた時点でまだこの建物に来たことも見たこともなかったからね(笑)。
ただ、一番最初にMさんを連れてきたキクカワさんと出会った時、年齢的にも目上の方なのに、こちらに対してすごく丁寧にお話してくれる方っていう印象が残ってて。そのキクカワさんからの建物のお話をいただいた時に、キクカワさんからのお話ならこの方なら信用できるな、っていうのがあったと思う。で、いざ建物を見に来てみたら想像以上に大きくて「うわぁ・・!」っていう(笑)。
- カトウ最初にここに来たのっていつでしたっけ?
- タカギいつだったかなあ?初回は間違いなく、カトウさんも一緒だったと思うけど。大体、いつも一人で心細い時はカトウさん誘うしね(笑)。たしか2017年、夏頃だったかも。
- キクカワそれで、実際に借りてもらったのが2018年からでしたね。
- カトウキクカワさんからお話をいただいたあと、新事業の申請やら手続きと平行しつつ、2017年に秋頃に浜大津で館長さんとのお話に行ったんですけど、あの時のことがとても印象に残ってるんですよね。
- タカギあの時は、たぶん今までの人生の中で一番緊張したかも・・・(笑)
- キクカワ館長もお二人のことはお話を聞いていて分かっていたし、ちゃんと想いを持ってやってくれればそれでいいという考えの人でしたからね。
- カトウそれでも、あの時の僕たちの話はなんの説得性もなかった話だったと思うんで、よく引き受けてくださったなあ、と(笑)。
- キクカワここの建物でも大切にしていたのはいわゆる「多文化共生」でしたし、まさしくお二人の考え方にもちょうどマッチしていたんじゃないかと思いますね。
キクカワさんから見たno-de
- カトウ僕いちどキクカワさんに聞いてみたいことがあったんですけど、僕たちがここをお借りしてから今までのキクカワさんの心の動きとしてはどのような感じだったのかな、と。
- キクカワ障がい者事業もそうだし、ひきこもり居酒屋やこども食堂、外国人支援など、本当に色々大変なこともあるけど、よくやってくださってるなと思いますよ。色んな人が関われる風通しの良い場所としてね、そうやって続けられていることが嬉しいですね。
- カトウ僕たちも、最初に空っぽのとこからお借りしたわけではなくて、キクカワさんたちが作り上げてきた文化がすでにある建物をお借りしてスタートできたのがとても良かったように思います。
- キクカワ僕から見てても、スタッフの方も含めてno-deさんはここでほんとにすごいことをやって下さってると思いますよ。
前にも会話の中でこどもたちのことを「金の卵」という風に表現していて、僕はそれを聞いて本当に震えるほど感動したし、no-deの皆さんには自分たちがやっていることが社会的にも素晴らしいことなのだと誇りを持ってほしいと思いますね。
- カトウキクカワさんがここで歩んでこられた道のりを、僕らもこの場所で一緒に経験することができて本当にありがたい限りです。
- タカギキクカワさんはいつもこうやって褒めてくれたり励ましてくださってて、またそれだけじゃなくて大変な時は「今が頑張り時やで。」って背中を押してくださったり。そのキクカワさんのバランスが僕らも本当に日々の仕事をする上でも原動力や推進力になっているんです。
先日、カトウさんとも話していたんですけど、これから年を重ねていく時に、だれか見本になる大人の人ってなかなか出会える事ってないんですけど、キクカワさんみたいな大人になりたいなって思ったんですよ。
- キクカワいやいや、僕なんてそんな。お恥ずかしい(笑)。
- タカギこの先、気概のある若い人が出てきたときも、背中も押すしお尻も叩いてあげれるようなそんな存在に自分がいずれ成れたらいいなと。キクカワさんを見ていてそう思います。
- キクカワ私も今70歳も越えて、これまでのことを振り返っても特別なにか自分に才能があるわけでも技術があったわけでもないですし、言ってみればただのおっさんですよ(笑)。
でも、なにか使命感や義務感というのか、「やらなあかん・・!」と思うことがあったらそれに対して真っ直ぐに向かってきた。それが私の性格でもあるし、それをただひたすらに突っ走ってやってきたという感じです。
- カトウほんとに良い出会いをさせていただいたなと思います。
- キクカワ世の中にはまだまだ素晴らしい人がたくさんいます。no-deさんを通して色んな人たちが喜んでもらえるなら、私も自分のことのように嬉しいですよ。
- タカギこれからもひきつづきよろしくお願いします。