no-de_LIFE
INTERVIEW
2025.05.31
特集『ヘルパーを再定義する①~井手上ヘルパーに20の質問~』
no-deは令和7年6月現在、4拠点6事業所を展開している。
その始まりであり、代表理事の髙木のキャリアの始まりでもある、居宅介護事業。
利用者さんからはよく、「ヘルプ」と呼ばれており、「ヘルパー」と呼ばれる支援員が、利用者さん宅へ訪問し、日常生活に必要な支援を届けるサービスである。
生活に根差す、非常に重要なサービスという認識は変わらないが、障害福祉のめまぐるしい制度変化により、ヘルパーに求められる仕事内容、資質は大きく変化している。
変化することは決して悪いことではない。しかし、残して語り継がなければならないこともある―。
そんな想いから、「ヘルプ(事業)」「ヘルパー(職)」について検証し、no-deにおける「ヘルパーを再定義する」プロジェクトを始動させることとなった。
いくつかのステップを経て、最終目標は法人(no-de)として「ヘルパーを再定義する」こと。そのプロセスを、何度かに分けて特集記事として公開していく。
その第一弾として、現職の井手上ヘルパーに職に関する質問をぶつけてみた。
井手上さんに20個の質問
Q. ヘルパーでしか味わえない仕事の醍醐味は何だと思いますか?
程よくおせっかいができること。
Q. 他の支援形態(事業)と比べて、ヘルプ業務の良さは何だと感じますか?
利用者さんとだけ向き合う事ができる。1 対 1 で・・・
Q. 訪問前の準備や心構えとして、どんなことをされていますか?
特に準備はしません。心構えとして自分の考えを出しすぎない、仕事を意識しすぎない。
Q. マンツーマン支援の良さと大変さはどんなところだと思いますか?
良さ
深く利用者さんの声を聴ける 希望に出来るだけこたえてあげられる。
大変さ
何が起こっても頼れる人がいない。1 人で解決しなければならないこともある。
Q. どんな悩みがヘルパーとの関わりで解決できると思いますか?
年齢に応じた体験をヘルパーと一緒にできる。
Q. ヘルパー職が得意とすること「あるある」として、どんなことがありますか?
生活援助→男女問わず食事提供、掃除が得意な人が多い。
Q. 支援時間の組み立て方や使い方で、工夫していることはありますか?
長時間支援は、午前中に第一希望に対応、午後からは支援終了までの時間を逆算し て出来ることへの対応。
短時間支援は移動時間を先に考えてから希望の支援の内容に対応。
Q. ヘルパーに向く人、向かない人にはどんな特徴があると思いますか?
ヘルパーは誰でも向くと思うが・慣れるまでの時間はかかることが多いと思います。
特に向く人は・・・几帳面な人のように感じます。
Q. 余暇支援や生活援助以外に、ヘルパーが担っている支援(生活時間)にはどんなことがありますか?
身体介護、通院介助、傾聴支援
Q. もしもロボットが訪問介護をしたら、利用者さんはどんなことで困ると思いますか?
会話が弾まないと思う。それに一番大事な人のぬくもりがない。
Q. 「目に見えない支援」とはどのようなものだと思いますか?
配慮や心のケアーだと思う。利用者さんの気持ちを察して支えになれること。
Q. ヘルパー1年目の頃と、ヘルパー〇年目の今、支援者として変わったところは何ですか?
ヘルパー1 年目とヘルパー13 年目の私は全く違います。
まずはヘルパーという仕事は嫌いで全然楽しくなかった。こんなに長く続けられると思わなかった。
大きく変わったきっかけは障害のヘルプから高齢者のヘルプを経験したことにあると思います。ヘルプの大切さを学びその人の望むことを聞いてあげ細かな心遣いを自然とされ ているへルパーの方々と関われたことが大きく変われたきっかけだと思います。
支援者として変わったことはヘルパーの仕事が楽しく好きになったことです。
Q. 利用者さんと二人で過ごすとき、緊張しますか?
引継ぎ後の初回のヘルプは緊張します。
Q. 支援時間が3時間しかなく、急に遠くの施設(ブルーメの丘など)に行きたいと言われたら、どうしますか?
基本、行かないです。3時間で行くことはできても楽しめることはできないことを伝え、それでも行きたいといわれるなら行ってすぐに帰ってくることを伝え行きます。。
利用者さんは時間の感覚が苦手な方もいられるので行動してあげるほうが今後の支援が良好なものになると思われるので行くのも大切だと思います。
Q. あなたの理想のヘルパー像はありますか?
特にありませんが、利用者さんから学び成長していけたらいいなと思います。
Q. グループホームの職員さんには秘密で〇〇をやりたいと相談された場合、利用者さんとの秘密の共有はどこまでするべきだと思いますか?
人に言えない事は後々しんどくなるし、1回だけが2 回、3回とお願いされることになるといい関係性でなくなるのでしない。
Q. 一対一だからこそ〇〇!何が入ると思いますか?
一対一だからこそあなただけのヘルパー!
Q. 利用者さんに伴走するコツは何だと思いますか?
よく話を聞いてあげること。
Q. 新人ヘルパーとベテランヘルパーの一番の違いは何だと思いますか?
はじめましてからのコミュニケーション能力。
Q. 思い出に残っている利用者さんとのエピソードを教えてくださいませんか?
中途障害の重度身体障害になられた方が施設から一人暮らしをされるまで色々な場面に関われた事です。
初めはヘルパー利用もしたことがない、外出もあまりされな い、なにがしたいかもわからない。そんな感じから支援がスタートしました。
少しず つ変わられていく姿がとても生き生きとされ、そしてこれからの自分がどのように生きていきたいかを考えられるようになり一人暮らしをする決断をされました。
こんな素敵な経緯に関われたことは一生の思い出です。