SPECIAL
SPECIAL
2025.03.31
特集『no-deデザインが生まれてから─。』
創業以来、no-deのアートディレクションを担当しているデザイナーの橋口です。2018年のロゴ制作からおよそ7年、ロゴ、WEBサイト、パンフレット、名刺、看板など、多岐にわたるデザインを手がけてきました。
毎月のWEB特集記事も、代表のお二人との定例会議で、試行錯誤を重ねながら制作しています。2020年には、「no-deデザインが生まれるまで」と題し、デザインの裏側を深掘りしました。(記事はこちら → リンク)
これらの積み重ねが実を結び、先日、髙木代表が学会で発表した「ホームページを活用したチーム作り」が「滋賀県社会福祉学会 奨励賞」を受賞。7年間の歩みが、確かな成果へと繋がっています。(受賞の様子はこちら → リンク)
今回の特集では、no-deデザインが「生まれてから」どのように活用され、周囲にどのような影響を与えたのかを、代表のお二人に伺いました。デザインは、誕生も重要ですが、その真価は「生まれてから」にこそ発揮されます。
no-deデザインは、どのように活かされてきたのか。これまでの制作物ごとにお二人の言葉を通して、その軌跡を辿ります。
ロゴ
代表髙木 コメント
このロゴを見てno-deさんやなって言ってくれる人は、黄色にまず目が行くみたいで。その後にロゴの意味を伝えるのがめっちゃ気持ちいい。名刺やWEBサイトなどのデザインは日々使っていくほど、デザインの必要性や意味が当初より今の方が実感することがあるけど、このロゴに関しては、今後もっとno-deが進化していくほど、よりこのロゴの意味が一緒に大きくなって行く気がする。
代表歌藤 コメント
社用車にこのロゴのステッカーを貼る時がいつもちょっとうれしい。no-deのものが増えたような感覚になるし、no-deがどんどん世の中に伝播していってる感じが好き。
デザイナー橋口 コメント
「no-deデザインが生まれるまで。」の記事の中でもこのロゴの制作記は紹介しましたが、代表お二人へのヒアリングをもとに、no-deが企業としてどうあるべきか、どういうスタンスなのかをもとにロゴデザインに落とし込みました。ちなみに先日代表の髙木さんに「このロゴが仮にまだ無かったとして、もう一度ロゴデザインを今依頼したら同じデザインになると思いますか?」と急に質問されたのですが、私の答えは「全く同じデザインではないかもしれないけど、同じ方向性のものにはなると思います。」でした。これはおそらくno-deが創業の頃から大事にしているマインドやスタンス、方向性が今もなおブレていないからだと思います。
名刺
代表髙木 コメント
名刺の表面に肩書が書いてないところのこだわりもお気に入り。
デザインが出来上がって最初にこの名刺をもらった時とても嬉しかったのを覚えている。年月が経って使い続ける内にこのデザインの意図がどんどん実感として分かり始めた。行く先々でこのサイズ感の名刺といえばno-deさんですよねという風に覚えてもらえるしコミュニケーションが生まれる。質感やサイズもふくめてここまでデザイナー橋口さんが考えていたのだとしたらほんとにすごいなと思う。使うほどにno-deの輪が広がっていく気がして、最近になってやっと名刺の本当の価値が分かった気がする。
代表歌藤 コメント
自分はもともと名刺なんて別にいらないと思っていたし、昔はただ肩書や名前を儀式的に紹介するしょうもないものだと思っていた。でも、今のno-deの名刺は渡す意味があると思って使えている。その理由としては、名前だけじゃなくて、no-deってこういう会社ですよっていう、空気やそのものを渡せてる気がするから。付加価値のある名刺だと思う。
デザイナー橋口 コメント
こちらも先程のロゴ同様に、お二人へのヒアリングで深堀りしたno-deのマインドやスタンスをもとに制作しています。
歌藤さんが言うように名刺なんて所詮名前交換の紙一枚かもしれないけど、工夫次第でコミュニケーションが生まれたり、言語化しづらい自分たちの思いなんかも伝えられるかもしれない。no-deの名刺の表面には、ロゴと名前だけを載せて肩書はあえて載せないよう当時提案しました。その方がno-deっぽいと思ったから。名刺は使う人や企業の「分身」でもあると思って作っています。
WEBサイト
代表髙木 コメント
会社を経営していると、会社も事業所も「生き物」という気がする。時には腐ったり、いきいきしていたり。長年続けているこのWEBサイトの特集記事も同じ。しんどいときはしんどいのが伝わるし、嬉しいときは嬉しいが伝わってる気がしている。外の人にも中のスタッフにもそれが伝えられるのがWEBサイトの良さ。トップページに書いてある当時自分の考えた文章が今も色褪せずに残ってるのが嬉しい。
代表歌藤 コメント
個人的に良いWEBサイトだと思う条件が3つあって、それが「安心感」と「面白み」と「共感」があること。それが今のno-deのWEBサイトにはある気がする。ちゃんと更新されてる安心感があって、記事は面白みもあるし、そこに共感してくれる人がいる。
そういうWEBサイトが今のno-deにあって素直に嬉しいなと思う。
デザイナー橋口 コメント
「育つWEBサイトを作る」。これが当初提案させていただいた時から今も変わらないサイトのコンセプトです。企業のWEBサイトといえば、作ってあとは放ったらかしというパターンについ陥りがちです。no-deはあくまでもそこで交差する人たちが「主役」。WEBサイトでもその主役である「人」にフォーカスした記事を定期的に更新することで、じんわりとno-deのマインドやスタンスの輪郭がハッキリするんじゃないかという思惑がありました。今ではたくさんのトピック記事が蓄積され、no-deらしさがしっかり詰まったサイトになったと思います。それもすべてチャレンジングな企画や記事を一緒に楽しむ代表お二人のスタンスが生んだ賜物だと思っています。
パンフレット
代表髙木 コメント
パンフレットに関しては、原稿はこちらで用意するけど逆に自分の思い通りに作ってほしくなくて。橋口さんの感性で良い意味で壊してほしいといつも思ってる。どうしても自分でやるといかにも「福祉的なもの」になってしまうから。実際、このパンフレットを普段事業の中で使う時にも思うけど、明らかに他社とは違うパンフレットだと思う。no-deのパンフレットはデザインも統一感があるから、それぞれのパンフをその人の本棚に入れてコレクションしておいてほしくなる。
代表歌藤 コメント
いつも新しい事業を始めるタイミングでパンフレットの制作を依頼するけど、毎回どんなパンフレットができるのかが楽しみ。自分の会社のパンフレットなのに、ちょっと人ごと感がある気がする。自分たちの投げかけたこの内容をどうデザインしてくれるんだろうっていうワクワク感。それと、新しい事業のパンフレットを最初に渡す時は、まだ事業所も始まって間もない時だから、パンフレットをもらった人が同じようにワクワクしてくれていたら嬉しいなと思う。
デザイナー橋口 コメント
no-deのパンフレットは事業ごとに作っていて、社内にたくさんの様々な事業が存在しているからこそ、すべて同じデザインテンプレートで統一感を出しています。今では当初よりも順調に事業も増えていて、パンフレットの種類が増えるほど、より「no-deのパンフレットといえばコレ」感が出てきたように思います。パンフレットで特に大切にしているのは中面にあるその事業を表す見出しのキャッチコピーと紙面のカラー。このコピーは代表髙木さんが書いたものを元にしたり、こちらから提案して互いに一番しっくりくるワードをいつも選定しています。所詮パンフレットで情報として伝えられるのはほんの僅かです。だからこそ、少ない情報でもちゃんと事業の雰囲気や輪郭がハッキリする言葉やデザインを意識して作っています。
看板(サイン)
代表髙木 コメント
先日出来た新しい南草津事業所のA看板の特大ホームラン感がすごいと思った。この看板が事業所に置かれた時、そこで働いてるスタッフたちの共感や反応がとにかくすごかった。あれをそのまま南草津RECOのロゴにしたいぐらい。普通に看板を作ってもこのデザインにはならないと思う。これこそがデザインの力だなと感じる。
代表歌藤 コメント
自分は草津事業所や野村事業所の看板を普段からよく見上げることがある。その看板を見上げてる時の時間が結構好き。ここにno-deと自分がいることを実感できる時間。野村事業所の看板は、季節とか時間帯で、表情が変わるのもまた良い。
デザイナー橋口 コメント
no-deに関するあらゆるデザイン制作物で、毎度一番頭を悩ませるのは実は看板(サイン)かも知れません。看板って、ただロゴや名前を載せればそれだけで看板として成立はするものの、それだけだと味わいがない。だけど、いわゆるグラフィックデザインの味付けをすればするほど、その事業の本当の姿や性格からは乖離してしまうこともある。また、事業内容だけじゃなく、建物や周辺環境のデザインと看板デザインの親和性まで関わってくる。(さらにいうと建物の外観は既製品だったりするので事業とはおよそ関係ないので余計に難しい・・・。)目立てば良いとかそういうことではなく、大切なのは「うそがないこと。でもみんなに見てもらえる見た目をしていること」その塩梅が大事なんじゃないかと思っています。
クリアファイル
代表髙木 コメント
no-deのクリアファイルといえばこれというのが認識されているみたいで、例えば利用者さんにパンフレットや書類をクリアファイルの中に一式入れて渡したら、次の時にちゃんとそのクリアファイルごとそれらを持ってきてくれている。
あと、最近でいうと自分の娘に「これお父さんところのクリアファイルやろ」っていわれるぐらい認識されてる(笑)。
代表歌藤 コメント
自分の仕事の関係もあるけど、このクリアファイルは毎日使っている。何を入れるにもとにかくこれを使っていて、車にも常備してるし、自分の机にもこれが常に10個ぐらいで並んでる状態。もはや、これじゃないと安心できないぐらいの感覚。普段使う上でも裏が透明で反対側が見えなくなってるのも、使い勝手が良いので助かっている。
デザイナー橋口 コメント
クリアファイルのデザインのお話をもらった時に最初に頭に浮かんだのは、「日常の業務で触れる機会が多いものになるから、外の人にも中の人にもno-deを一目で感じられるものにしたい。それでいてなおかつ実用性があること。」でした。ロゴのヒアリングの時に聞いた「今とココから」をモチーフにしたno-deのスローガンでもある「FROM HERE AND NOW」の文字を大きく配し、no-deマインドの伝達を日常に溶け込ます狙いがありました。また、デザインの提案の時には実際に書類を中に入れた時のイメージも合わせて制作し、実用性の面でも事前に確認してもらうなどしました。
MMK10周年記念冊子
代表髙木 コメント
正直、橋口さんがいなかったらあの10周年記念冊子を完成させる前にへこたれてたと思う。それぐらい自分たちだけでは出来ないものが出来たように思う。利用者さんや保護者の方とかがこの冊子を中身を読んでくれて、本の重みも含めて「すごいことをやってきたんだね」って分かってくれる冊子になっている。10周年イベントを終えた今でもMMKに興味ある人に配る機会があるけど、本の内容だけじゃなくて、読んでくれた人には色んなことが伝わってる実感がある。制作時は、見出し文など原稿を考えるのがめっちゃ大変だったのもまた良い思い出。
代表歌藤 コメント
完成したものを見た時に、こんなすごい冊子を自分たちでも作れるんだという感動が大きかった。橋口さんに作ってもらえてなかったら僕らの頭の中だけで完結してしまってた可能性まである。no-deのロゴと同じでこの先、MMKが進んでいくほどにこの冊子に価値が出てくるような気がしている。
デザイナー橋口 コメント
「MMKの冊子を作ってほしい。」この依頼をいただいた時、代表お二人が持っているイメージは「A4の4ページぐらいのものでMMKのこれまでの歴史をまとめたものにしたい。それをイベントで配りたい。」でした。自分としては、10周年というとても大事な節目で作る冊子で、なおかつ関係者に配りMMKを一旦総決算するものということで、中途半端なものは作りたくないというのが最初の印象でした。また、内容についても、MMKのコンセプトを元にしてメンバーをファッションモデルのように「とにかくカッコよく!」扱うというテーマを掲げ構想していきました。さらに予算を確認した上で、当初の想定から大きく変わってページも60ページという当初からは考えられないボリュームを提案して了承をもらいました。原稿を準備いただいた髙木さんの大変さを思うとこんな内容を提案してしまって少し心苦しく、なおかつ自分的にもかなりの制作時間を要した内容でしたが、結果的に周りの方にも喜んでいただけ、なおかつこの先も残してもらえそうな冊子が出来たこと。とても良い機会をいただけて感謝しています。