SPECIAL
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2025.02.28
特集 寄稿文『曇は雨を降らせ 雨は花を育てる』
ふと、思う。
今のわたしってそんなに悪くないんじゃないか と。
自問自答する日々
こんな風に思えたのは no-deで過ごしてきて初めてかもしれない。
ずっとしんどかったということではない。
もちろん、楽しかった事、嬉しかった事もたくさんあった。
ただ、どんな時も自分に対してずっと自信が持てなかった。
責任者というポジション。
このままでは良くない。
もっとしっかりしないと。
何をしても不器用でなかなか上手く伝えられない。 経験や知識も少ない。
フォローしないといけない立ち位置なのにいつも助けてもらってばかり。
何が正しいのか、はっきりと答えが出せない。
こんな頼りない責任者で良いのか。
と。
日々、自問自答しながらもその時の自分ができる限り、一生懸命に目の前の人と向き合ってきたつもりだ。
ぜんぶ一人で動いているような孤独な気持ちになった事もあった。
その時の自分を思い出してみる。今考えてみると、そんな悩むことなのか?そんな自分を責める事なのか?
とも思う。
ただ、一緒に歩いてくれる人が欲しかった。上手く手を抜く方法を教えて欲しかったのかもしれない。
今、no-deにはたくさんのスタッフがいる。 若い職員も増え、一生懸命に走っている姿を見ると、正社員ひとりからスタートしたあの頃を思い出す。
今のわたしにできることがあるとしたら、これからも no-deや関わる人たちと一緒に隣で歩き続けることだと思う。
no-deじゃない“わたし”
こうして、自分なりに必死になって積み重ねてきたからこそ、「no-deじゃないわたし」を想像できなくなっていた。
そんな時、no-deから離れる時がきた。
待ちに待った大切な命が、わたしにしか守れない大事な天使がやってきてくれたのだ。
嬉しいけど…寂しい。
嬉しいのに…不安。
嬉しいはずなのに…ここを離れたくない自分がいる。
少し大げさかもしれないが、99%no-deだったわたしから変わっていく事が怖かった。
今まで関係を築いてきた利用者さま、関係機関、職員に対する心配はもちろんだが、何より
「no-deなわたし」→「no-deじゃないわたし」になるのが想像できなかったのだ。
今までわたしなりに積み重ねてきたものはどうなる?
なんで女性だけ仕事を休み、生活スタイルを変えないといけないのかと悔しい気持ちにもなった。
そんなわたしの想いや仕事の状況を代表と相談させていただき、形は大きく変わるが継続して no-deと関わり続けることにした。
正直、中途半端に関わるなら迷惑になるのではと思ったり、やるからにはちゃんとしたい自分の性格で慣れない育児との両立は無理だと感じたり今でも不安に感じる瞬間が多々ある。
そんな不安定な気持ちを、支えてくれる家族に当たってしまう事もある。
いつもそんなわたしを受け止めてくれて感謝の言葉だけでは伝えきれない。
きっとこれからも。
離れて気付けたこと
no-deから少し離れて気付いたことがある。
上手く伝わっていない、できていないと悩みながらもわたしが続けてきた事を側で見て、感じて、支えてくれている仲間がいる事、自分なりに作り上げてきたものを他の人に伝え、任せる事で今まで自分がしてきた事を振り返る良い機会となり、自分がしてきたことが形になりちゃんと意味があった事を確認することができた。 深く考える必要のない事や手を抜いてもいい部分も見えてきた。
一歩外から no-de を見る事で「一人じゃないんだ」とより強く感じることができたのだ。
「no-de じゃないわたし」 ではなく
「no-de にいる新しいわたし」 に出会えた気がする。
そう感じさせてくれた天使が今も私の膝の上で眠っている。愛しい。
子育てと仕事。
一歩外から見る no-de はまた違って、なんか良い。
こんなわたしも悪くない。
2025年2月 口分田